ウサギを追うな

2018/02/18 01:19

集英社のオレンジ文庫に、『これは経費で落ちません』という本がある。



サブタイトルに~経理部の森若さん~とある通り、
主人公は森若沙名子、27歳。彼氏なし。入社以来、経理一筋。きっちりとした労働と、適正な給料。過剰なものも足りないものもない、完璧な生活をおくっている、はずだった。
と、Amazonの内容紹介にあるように、そんな沙名子ちゃんの日常を描いたミステリー作品だ。

著者は、青木祐子。現在、3巻まで好評発売中である。
オレンジ文庫なので、おねえさん世代を狙っているのだと思うが、
気軽に読めるミステリー仕立てになっていて、私は気に入っている。
経理部に持ち込まれる領収書や仮払金等から、
社内のもめ事や不正に辿り着く沙名子ちゃん。
彼女には彼女の論理があり、相手には相手の論理がある。
沙名子は単なる善悪ではなく、自分の仕事の領分と照らし合わせつつ、そのお金の是非を判断していく。
経理という職務に疎いせいか、先が見えず、謎解きもまた楽しいシリーズである。

この沙名子ちゃんの座右の銘が、「ウサギを追うな」なのである。
本が手許にないので確認できず大変失礼なのだが、
雑念に囚われず集中しろ、というような意味だったと思う。

私は雑念の塊のような人間なので、ある意味、集中できる時間はとても短い。
何かしながら、大抵、他のことを考えている。
特に落ち込んでいる時はそれが激しい。
クヨクヨといつまでも同じことを無限ループで考え続ける。
考えても答えの出ないようなことを、だ。
いかんいかん。そんなことをしていても益はない。
先日も仕事をしながら、つい、溜息を付いてしまったときに、これを思いだした。
「しっかりしろ。ウサギを追うな。ウサギを追うな」と小っさな声で呟いてみた。
案外、やればできるものである。^^

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タバコと健康

2018/02/08 11:45

『「タバコと健康」真実(ホント)の話』を一読した。

喫煙者と非喫煙者の意見で構成されている1冊だが、
内容的に禁煙を推奨するものではないのは明白だ。
平成14年に制定された健康増進法以来、
喫煙は何かに付けやり玉に挙げられている。
本当に国民の健康を思うのなら、たばこの販売を止めてはいかがだろうかと思うが、
どうやらそういう簡単な話ではないらしい。

タバコと健康被害についての因果関係は明らかである。
とほとんどの人が思っているが、いや、あれは間違っているという主張もある。
予防接種の副反応による被害について考えていた時もそう思ったが、
データのとり方、データの分析の仕方が、賛成反対両派によって180度違う。
ひとつのデータが結論づけるものは何なのか、いつも首を傾げてしまう。
恣意的な見方によって、騙されているのではないのか、と思ってしまうのだ。
エンゲル係数の上昇は食生活の活性化である、と読み解けるように。

最近ニュースには「専門家」と称する人がよく出てくるが、
あの呼称は止めた方がいいのではないかと思う。
何をして、彼らを専門家たらしてめるのか、さっぱり分からないからだ。
だから、彼らの専門性に疑問を持つと共に、データの分析結果について、つい、疑いを持ってしまう。
もちろん、ただのど素人の私にその分析結果の真偽ははかれない。
だが、そのど素人に、世に流布されているデータの結果が信頼され得ないものであるというのは、
大変悲しいことであると、私は思う。
専門家への信頼が揺らいでいるということに他ならないからだ。

体制に、大勢に? おもねっているのではないか。
都合の悪いことを隠そうとしているのではないか。
相手の揚げ足を取ろうとしているのではないか。
自分の都合のみを優先させているのではないか。

1つのデータから導き出される答えは1つではない。
幾通りもの解釈の仕方が存在する。
だが、それを自分の都合の良いようにばかり用いてはならない。
それをしない人が、専門家なのだと、私は思う。

私はタバコを喫煙しない。
だが、家族には喫煙家がいる。
家庭内、どこでも自由にすっている。
ただ、寝たばこによる火災は怖いので、それだけは禁止だ。
最近、首都圏では喫煙場所があまりにも少ない。
私自身、同じ部屋でタバコを吸われると、最近咳が出るようになってきて、ちょっと辛くもある。
それでも、この禁煙への圧力はあまりにもひどいと思う。

あなたの言うことにも一理ありますが、私の話もちょっと聞いてくださいよ。
そういう議論や落としどころがないものだろうか。
世の中、白黒はっきりさせることと、三方一両損は別のことだと思うのだけど。


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『一汁一菜でよいという提案』

2018/01/07 01:38

2017年は結構良いペースで読書ができたなと思っていましたが、
11月12月とほとんど読了できず、尻切れトンボな感じで終わりました。^^;
手許に置きたい本を購入することはありますが、基本的に図書館利用派です。
去年読んだ本で面白かったのは、『一汁一菜でよいという提案』です。



料理家、土井善晴氏による本ですが、レシピ本ではありません。
タイトル通り一汁一菜というスタイルの紹介であり、
食に対する、氏の考察でもあります。

かつて何度か叫んだように、私は料理が大嫌いです。
現在、20歳を過ぎた息子が食事作りを担当してくれるようになり、
20年に及ぶ苦役から解放され、大変ハッピーな状態です。^^
「ご飯づくりを放棄した主婦ってどうよ」と初めは思いましたが、
「20年やってきたんだから、もういいんじゃないの」と家族が言うので、それに甘えています。
とはいえ、全部お任せだと心苦しいので、後片付けは私がしています。
人間、嫌なことから解放されると、日々、こんなにハッピーなんだなとつくづく思っているところです。
(退職したサラリーマンの気持ちがわかるような気がします・笑)

中学生の時に「ジャガイモの皮をピーラーで剥く」から始まった息子ですが、
最近は、私より上手になりました。
クックパットや料理番組を参考に、いろいろ挑戦しています。
私と違って、料理することが好きみたいです。
私はどうしても料理を好きになることはできませんでしたが、
本来、料理とは生きることに直結するものであるという認識はありました。
ですから、それが嫌いだということにとても劣等感を抱いていましたし、
そこから逃げられないということが、とてつもなく負担でした。

土井氏は言います。
「この本は、お料理を作るのがたいへんと感じている人に読んで欲しい」のだと。
皆、一生懸命働いています。
「外のことを優先して、大切にすべき自分のことは後回しにしてしまう、ついおろそかにしてしまう」
そうなんですよね。
でもね。
「食事はすべてのはじまり。生きることと料理することはセットです」
そう言われちゃうと、辛いんです。

土井先生はそんな私を見捨てるようなことはしませんでした。
生活にはケとハレがあり、日常の生活はケであるから、できることをすれば良いのだと。
(ちなみに、ハレの料理は神様に感謝し、捧げるものであるから、時短も手抜きも存在しないのだそうです)

できないからしない、のではなくて、する必要がないのだ、という所が私にはありがたかった。
だって、できないからしなかったら、やっぱり後ろめたいじゃないですか。
毎日、代わりばえしなくてもいいの? と思うでしょう?
でも、「家庭料理では、そもそも工夫しすぎないということの方が大切だ」と仰る。

お店で提供される料理と、家庭料理は、そもそも目指すところが違うのだと、言われて初めて気付きました。
だって、お家で、お店で出てくるような料理が出てきたらすごいと思うじゃないですか。
そんなこと絶対にできない私の家族って、ホント、可哀想なんじゃないかと思ってました。
こんなおかーさんでゴメンよって。
でも、そうじゃないんだって言われて、肩の力が抜けたといいますか。
こんな私でも良かったんだなーって思えたところが、最大のミソです(笑)。

それでも、自炊をすることに氏がこだわるのは、
「暮らしにおいて大切な事は、自分自身の心の置き場、心地よい場所に帰ってくる生活のリズムを作ること」
「その柱となるのが食事」
「1日1日、自分がコントロールしているところへ帰ってくること」
だと考えているからです。
ストレスの多い現代、確かに、自分でコントロールできる場所へ帰ってきて、自分を取り戻すことは大切な事だと思えました。

息子にもこの本を薦めましたが、私ほど思うところはなかったみたいです。
彼が毎日料理をするようになって、2年くらいになるでしょうか。
そういうと、それを職業にすればいいのに、と言われますが、
私は、それよりも、日々、自分の為に、家族の為に、料理をし続けることができることがとても素晴らしいことだと思っています。

世の中の皆さん、ホント、素晴らしい!

一汁一菜というのはどういうことなのか、是非、手にとってみてください。


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旅に出る

2016/09/29 16:18

旅に出る。
というと、一人のような気がするのは何故だろう。
しかも、観光が目的ではないような気がしてしまう。
「旅行」との違いかな。

数年前、いや、去年かな。
一人で新幹線に乗った。
それ自体は別段珍しい事ではないけれど、行く先も目的も家族と全く関係ない一人だったというのが、私にとっては珍しい事だった。
しかも乗った新幹線はmaxで2階席。
実は乗っていたのはたった20分かそこらだったのだけれど、
あの時に覚えた開放感が忘れられない。

ひとりって気持ちいいモンだな、と鮮明に思った。

もちろん、それは帰る場所があってこその、一時的な開放感であることは十二分に承知しているけれど、
随分長いこと忘れていた、いや、もしかしたら初めてかも知れない感覚に、
自分で結構驚いた。

一人が好きなわけではないけれど、一人じゃ何もできないわけじゃない。
普通の人並みに。
外食も一人でするし、コンサートも一人で行くようになったし。

どうしてあの時、それほど開放感があったんだろうと考えてみると、
おそらく日常と切り離された時間だったからであろうと思われる。
なるほど、それが旅の醍醐味か、と改めて納得する。
そういう時間があるのも、なるほどいいものだ、と改めて思う。

そんな事を、本を読んでいて思い出した。


著者は近藤史恵さん。
私は「天使はモップをもって」のシリーズしか読んだことがなかったのだけれども、
これがとても面白かったので、最新刊を読んでみた。
(といっても既に1年前の発行だけど^^;)

青いスーツケースと旅をする人たちの話が、短編で9編。
それぞれの人の生き方を振り返る、そんな旅の様子が綴られている。
私はかつての開放感を思い出し、旅にはそんな風に日常を新たにさせる一面があるよね、と思いながら読んだ。

「だって、人ってときどき、コーヒーが飲みたいのに、紅茶を注文するようなことってするでしょ」
「そんな人りう?」もうひとりが答える。
「いるわよ。コーヒーはカフェインが多いから、とか、紅茶の方が上品に見えるから、とか」
「ああ、そうね。そういうことはあるわね」
「わたしね、そういうのはもうやめたの。自分の望みはなるだけ叶えてあげることにしたの」
「あら、そうなの?」
「そう。花が欲しいときには花を買うし、コーヒーが飲みたいときにはコーヒーを飲むのよ。大きな望みは叶わないことが多いんだから、小さな望みを叶えてあげてもいいでしょう

(第一話「ウサギ、旅に出る」より抜粋)

大きな望みが叶わないかどうかはさておき、まさに今の私はそんな気分。
一人旅をするかどうかはわからないけれど、旅への憧れが芽生えた。

旅への憧れといえば、こちらも面白かった。


原田マハ著。主人公はハーレーダビッドソンだと思うのは私だけかも(笑)

***
ところで、来年春先に本当に旅行に行くことになりそう。
2週間も夫とふたりで北海道に行くことに。
まだこれから計画を立てる段階だけど、どうなることやら。
こちらは日常から切り離されるためではなく、今後のシミュレーションという位置付け。私の中では。
今度は受け身ではなく、私の要望も差し込んでみようかなと思っている。
良い旅になりますように。^^

【つづく】に拍手コメントお礼。




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ヤマト切り絵 古代守 と「鹿の王」読んだよ

2015/06/06 16:23

ヤマト切り絵93 古代守
ヤマト切り絵93 古代守

「鹿の王」(上橋菜穂子著)を読みました。
うっかり予約をするのが遅くなってしまい、ようやく今頃。

※続くに感想書いてますが、ネタバレありますのでご注意。※



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