成人式

2016/01/09 01:42

当たり前だけど、ワタシにも二十歳の頃はあった。
成人式もした。
振り袖は着なかったけれど。

思い出してみれば、着物を着ていなかった女子は同級生の中で5人くらいだったような気がする。
決して裕福な家庭ではなかったので、振り袖にお金を掛けることが勿体ないと思いワンピースで済ませた。
大体、ワタシはガタイがいいので着物は似合わない。
怒り肩で肩幅広いし、反物の幅一杯に伸ばしても、袖は絶対に足りない。
今になってみれば、一度くらい振り袖着てみたかったなと思わないでもないけれど、
後悔というほどのことでもない。
当時も少数派であることに全然こだわりがなかったので、引け目もなかった。

それでも、美容室で髪をセットしてもらい、
多少なりとも着飾ったワタシは、近所へ挨拶に行った。

成人式はご近所へのご挨拶は欠かせない。
なんて風習は全くない(笑)
とてもお世話になったお家があったので、そこへ挨拶に行った、というか。
「おじちゃんとおばちゃんに見せておいで」と親に言われて行ってきたのだ。
「こんにちは~今日成人式なんだ~」と訪ねて行ったら、
久しぶりにあったおじちゃんが、感極まって涙を流した。
ワタシは、とても驚いた。



3歳児神話、というのがまことしやかに囁かれている。
それが、嘘か誠かワタシには判別できないけれど、経験的には「関係ないんじゃない」と思っている。

ワタシはウチの子どもが小さいときは専業主婦だったので、ずっと自分の手許で子育てしてきた。
親は両家ともに数百キロ離れていたので、基本的に自分で好き勝手に育ててきたというわけだ。
息子達とも、たぶん普通に仲良し親子だと思う。

翻ってワタシ自身はどう育てられたかというと。
生後半年までは祖母の手で育てられたらしい。(当然、記憶にはない)
母も働いていたので、土曜日に祖母の処に引き取りに行き、日曜の夜に預けに行ったという。
が、祖母が身体を壊したらしく、それも半年で終了。
その後は、一番下の妹が生まれるまで、近所で預かってもらっていたという。(これもあまり記憶にない)
妹が生まれたのはワタシが4歳の時で、それ以降、母は専業主婦(内職はしていた)だった。

というわけで、ワタシはその「近所の家」でとても可愛がって育ててもらった。
母が家にいるようになっても、とても親しくお付き合いさせてもらった。
おばちゃんは、お菓子を貰ったと言っては電話をくれた。(もちろん、即座に食べに行った)
おじちゃんは無口な人だったけれど、トラックの荷台に載せてくれたり、おぶってくれたり、膝に載せてくれたりした。
ワタシより10歳以上年上のお姉ちゃんやお兄ちゃんは、面倒くさがらずに、勉強をみてくれ、一緒に遊んでくれた。
父に怒られて表に出された時、ワタシは裸足でその家に行ってしまったことがある。
もちろん、おばちゃんがご飯を食べさせてくれ、家に電話してくれた。(母が靴を持って迎えにきてくれた・笑)
今でも訪ねて行くと、懐かしそうに当時の話をしてくれる。

でも、だからと言って、両親と上手くいかなかったというようなことはなかった。
勿論すれ違いや言い争いは数多あったし、親に酷い事を言ったこともあるけれど、親の愛情を疑ったことはなかった。
ごく普通の親子だったと思う。

だから、経験的には親の手許で育てようと、そうじゃなかろうと、問題はそこにはないように思っている。
とはいえ、働きながら子育てをするのは大変だ。
ワタシには専業主婦時代の子育て仲間が何人かいて、大いに助けられた。
子育てするのに、親じゃない大人の目があることは良いことだとワタシは思っている。

そんな風に思えるのも、実行できたのも、ワタシを可愛がってくれたヒト達のお陰じゃないかと思う。
勿論、そこには母の気遣いがあったはずで、その事で苦労したと言われたことはないけれど、
母には感謝している。

おばちゃんは社交的な人で、朗らかで面倒見が良い。
おじちゃんは無口で、割と怖がられていたんじゃなかろうか。でも、ワタシがおじちゃんが大好きだった。
農機具の修理を生業にしていたのだけれど、傍で見ていても邪険にはされなかった。
ワタシはニコニコするおじちゃんの顔しか覚えていない。

そんなおじちゃんが亡くなったのは、ワタシが成人式を終えた二ヶ月後だった。
膵臓ガンで、発見された時にはもうどうにもならなかったと聞いている。
もう少し幼かったら、もっと遊びに行っていただろう。
もう少し大人になっていたら、足を運んで話もできたろう。
けれど、あの頃のワタシはあんなに大好きだったおじちゃんとどう接したらいいかわからなくて、
お見舞いに行った時も何を話したのか記憶にない。

おじちゃんのお葬式の時、参列する私の姿を見て不思議に思ったヒトもいたけれど、
まだ赤ん坊のワタシをおぶって歩いていたおじちゃんの姿を覚えていた人がいて、納得してくれたみたいだった。

成人式というと、楽しかった同級生との再会よりも、
玄関先で立ったまま、片手で顔を覆ったおじちゃんの姿が思い出される。

今年の成人の日は、寒いかもしれないね。
成人おめでとう。

よもやま  | コメント : 0  | トラックバック : 0 |

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