真田丸感想第5回「窮地」

2016/02/09 11:02

真田丸 第5回「窮地」 2016.02.07 NHK
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ここ数年、リアルってナンだろうな? と思ってます。
創作をする人にとっては当たり前な問いなんでしょうけど、
ワタシはあまり考えたことがなかったので。

撮影機器や映像技術の進歩によって、驚くほど精緻で現実的な「画」ができあがります。
確かな研究に裏打ちされた事実としての歴史だって存在します。
けれど、それを重ね合わせただけでは面白い作品にはならない。

緩急の妙、といいますか。
虚実の配分というとちょっと語弊があるかもですが、
オーバーアクションとリアルの配置が、とても上手くいっている。
お腹を抱えてゲラゲラ笑っちゃうのに、グッとくるし、惚れ惚れするし、考えさせられもする。
細かいリアルの積み重ねに支えられたオーバーアクションの見事さ。
今年の大河はすごくイイ感じだと思ってます。



さて、本編にいこう。
登場したと思ったら、一声で退場してしまった信長にびっくりしましたが、
この潔さがあっぱれ。
そそそ、と近づいてきた本多忠勝(藤岡弘、)にめんどくさそうな顔をする家康(内野聖陽)が笑える。
本能寺の変の報に際し、真っ先に逃げを提案したのは穴山梅雪。
道を探るも見当たらず。臣下の提案に「だめだ、だめだ!」と言い続ける家康。
家康の臆病さ、言い換えればその慎重さが彼を晩年まで生かしたとも言えるんでしょうけど。
挙げ句の果てには「京に上って上様をお救いする!」って。
しかも理由が、もし信長が生きていたら逃げたと言って咎められるから。明智よりよっぽど怖いわ、って。
(笑)
いや、そのとーりだわさ。

通信手段の発達により、ワタシ達は「確実」であることを確認することが比較的容易になりました。
それは言い換えれば「安心」を手にすることです。
その分、「決断」をする能力がなくなってきたのではと思う事があります。

真偽の不確実な情報をもとに、自分の、ひいては家臣達の命運をかけた決断をしなければならない。
そのプレッシャーや、如何に。
野蛮でなくなった代わりに、現代人は脆弱になっているんだろうなと思います。
もっとも、ワタシはたとえ平和ボケと言われようと、現代に生まれて良かったですけど。^^;

そういう葛藤が真田丸ではコミカルに描かれますが、それを省略したりはしない。
「信長が生きていたら」という可能性もあげつつ、「光秀の性格からしてそれは有り得ない」と否定する。
「情報」が不確実だからこそ、「人」そのものを見ようとする。面白いですよね。

情報の錯綜。
家康に届いた変は、安土にいる信繁には届かない。けれど何か起こったことは伝わる。
更に遠い真田郷には全然届かない。故の縁談話。
京からの距離を感じさせるのに面白い使い方ですよね。

さて、家康の伊賀越え。
早速穴山梅雪が別れますが、この時の家康の言葉の白々しいこと。(笑)
その後、服部半蔵が登場しますが、こちらは鈴みたいですね、登場のアイテム(笑)
「道筋は手の者がほぼ、抑えました」って。さりげに言ったけど、ひっかかったよねぇ(笑)

崖を駆け下りるのを躊躇う家康に向けられる兵の視線に、またもや笑いが。
それでも家臣達とおにぎりを食べながら、互いの頬についたご飯粒を食べ合うシーンは微笑ましい。
家康ってイイ家臣に囲まれているよね、とか思っちゃう。
それでも、落ち武者狩りも「全力で押し通りまする」ときりりとする半蔵に「またか」とげっそりする家康は笑えます。
そうして、ぼろぼろになって帰城するなり阿茶の局に倒れかかる家康でした。
お疲れ様でした~

真田郷にもやっと信長変死の報がもたらされます。
国衆を集めろと内記を下がらせた昌幸ですが、
昌幸「行ったか」
信幸「はい」(立ち上がって確認)
何をするかと思えば。
昌幸「ちきしょおおおおおおお! 折角頭までさげたのに、どうして死んでしまうかのおおおおお!信長めええええ!」

笑った。聞こえるって(笑)

信幸「父上の本心をお聞かせください」
昌幸「まっっったくわからん!!!!」
だよねえ。勘だけで生きている男、ってのも頷ける昌幸ですが、
何て言いますか、このキレ方が非情に魅力的です。
狼狽えているところさえカッコイイって、すごくない?

昌幸「国衆には国衆の生き方というものがある。誰が最後の覇者となるか見届け、しかと食いついてやるわ!
…面白くなってきた」
かっこいい。かっこいいけどねぇ。
側に仕えている真面目な信幸は困っちゃうよねぇ。
それでも、父・昌幸の腹が決まったこと、何か策を立てているところまでちゃんと分かっている信幸。
こうもキャラクターが違っているのに、それを悩まないってのは、きっとイイ育て方されたんだろうなと思うわけですよ。
父を心から尊敬しつつ、でも盲目的にならずちゃんと自分ってものを持っている。
良い武将なんだと思えますよね。

「信長が死んだそうですね」とうきうき登場する妻・薫(高畑淳子)。
「神や仏をないがしろにする人はいずれこうなると思っていましたよ」
高畑さんが言っているから浮き世離れして聞こえるけど、これは信長に対する根強い一つの批評ではあったんでしょう。
ほらみたことか、って思った人は結構いるんじゃないかしらん。

娘・松(木村佳乃)が明智に人質として取られてしまえば、真田は明智に付かざるを得なくなる。
その事に気が付き愕然とする昌幸ですが、「松を救い出してくださいませ」という妻と、会話が微妙にかみ合っていないと思うんですけど、妻は気にしてないようです。^^;

国衆をまとめようとする昌幸。
変幻自在というか、大胆不敵というか、知謀策謀逞しく、面白い人だねぇ。
でも、織田と戦ってもらおうとした上杉からはお断りされ、また昌幸は悩むわけです。
「義のない戦はせぬ」とカッコ良く言い放つ上杉景勝(エンケン)ですが、
その実はそんな余力は上杉にはない、ということ。

さて、どうするかと思ったらようやく滝川一益から呼び出しがかかりました。
すわ、来たか! と乗り込む昌幸ですが、良い湯治場はないかと尋ねられるだけでした。

もう少しで戦がなくなる。
信長の大きな目標を嬉しそうに語る一益が、失われたものの大きさを知らしめています。
比類なき力がなくなった後、果たしてどうなるのか!

安土にもどってきた信繁ですが、果たして無事姉・松を救い出せるのか。
安土城にすんなり入れちゃったのにまた笑いましたけど。
予告を見るともしや…??なんですよね。松はどうなるんでしょう。

本能寺の変から2日間のできごと(だったのね、びっくり)。
あれやこれやときりきり舞いの物語でした。
次回が楽しみです!


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TAG : 真田丸 大河ドラマ

テーマ : 真田丸 - ジャンル : テレビ・ラジオ

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