『獣の奏者』

2009/09/21 19:37

『獣の奏者 Ⅲ探求編 Ⅳ完結編』 読了。
 (上橋菜穂子/著 講談社 2009.08.10第1刷発行 ISBN978-4-06-215633-2)

とても面白かったです。
ひとつの世界に引きずり込まれて、何かを申し渡されたようなそんな気がする物語でした。
これは、「十二国記」を読み終えたときにも同じように感じました。

人が生きるということ。
国の有り様というもの。
戦い。
戦うということ。
継承ということ。

連綿と続く営みの中で、託された生命、知識、想いを、受け継ぎ受け渡すこと。

一人の女性が考え、迷いながら、生きた。
それを描くことで、人というものを描き出し、国の有り様というものを考える。

分類すれば、児童書というものなんですが、大人が読むことにも十分に耐え得る物語だと思いました。

自分の生きる道とは何だろう。
何ができるのだろう。
逃げることもある。立ち向かうこともある。
母であり、女であり、一人の人間であり。
全てを背負って、大切なもののために何ができるか。

そういう事なんじゃないのかと思ったのでした。

エリンであり、セィミヤであり、イアルであり、シュナンである。

『精霊の守り人』に始まる「守り人シリーズ」も面白く読みましたが、
こちらは、神山さんの切り口によるアニメシリーズの方が秀逸だと思います。

『獣の奏者』 Ⅰ闘蛇編 Ⅱ王獣編 は、2006.11に刊行され、時間を置かずに読んだのでした。
「あの物語は、きれいな球体のように閉じた物語だというイメージがあって」(『完結編』あとがきより引用)と、著者自身が仰っているように、私もそう感じていました。ですが、こうして続編を読むことができて、それはとても幸運なことなのではないかと思ったのです。

アニメ「獣の奏者 エリン」は見たことがありませんが、機会があれば見てみたいですね。

文化人類学者である上橋氏の魅力がたっぷりと生かされた物語だと思いました。
秋の夜長に、是非お手にとられてみてはいかがでしょう(^^)。

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