龍馬伝感想 no.9

2010/03/05 09:22

「龍馬伝」第9回 命の値段 2010.02.28放映

リアルタイムで見られないとこんなに見る時間がないもんですね。すっかり遅くなりましたが、どうぞお付き合いくださいまし。


タイトルにあるように、大義の前の命の重さというものが主題の回だったのでしょうが、いろんなことが対称的に描かれていたと思います。

当然、一番対称的だったのは、龍馬と武市です。
「盗みを働いた」ことにより、責めを負わされようとする山本琢磨の処遇についてですが、ま、その前に。

龍馬は、また江戸へ剣術修行に戻ってきました。
がっ。
まさか、2年半も経っていたとは! 全然わかりませんでしたがな。前回のあれ、2年半も時間が経過していたの? わたしゃ、半年くらいかと…(^^;)。あ、でも片道一か月かかるんだからそれもありか、と今なら思うけど。
千葉道場で、貫地谷佐那ちゃんが「すくにでも帰ってくるような口振りでいて! 2年半ですよっ!」と重太郎兄に向かって当たり散らすのを聞いたときは、まじ、びっくりしました。
やはり、時間の経過があまり感じられない。意図的にそう作っているんですかね?

ここにきて、佐那さんの気持ちがはっきりと伝わったわけですが、龍馬はずるい。やっぱり、女の敵だった(笑)。
まぁ、他に対処のしようも無かろうが、ツケが回ってきたよねって感じで笑っちゃいました。はい、悩んでくださいまし。

と、こういう辺りは龍馬に違和感感じませんね。だんだん、福山龍馬像が描かれてきたというか、でかいインパクトはないにしても、少しずつ固まってきた感があります。

でも、これについて好演していたのは渡辺重太郎兄でしょう。
「僕は、君が大好きだ!!」「ぶーーーーーー(と龍馬が酒を吹き出した)」
は、大声で笑ってしまった。いや、妹想いのいい兄ちゃんっすね。妹が可愛くて仕方がない重太郎を、大変コミカルに演じていらっしゃいます。それでいて、ちらりちらりと千葉道場の跡取りとしての顔が覗く。とても個性的な重太郎になっています。

それと対称的なのは、加尾&宮迫兄の兄妹ですな。
「龍馬なんぞに妹はやらん!」と、宮迫の顔にはっきりと書いてあります(笑)。憎々しげな、苦々しげな表情の中に、龍馬への愛は感じません。とはいえ、仲間として過ごした日々もあったはずで、その底に龍馬への愛がないはずはないんですが、でも、「妹はおまんになんぞやらん」という方が強いみたいですね。
こちらも、兄としての情を好演していると思います。

この宮迫の役回りは象徴的でした。
妹を思う兄としても、そして、武市に琢磨切腹を迫る役回りとしても。

武市への信奉の度合いは、あの仲間内でも宮迫は一、二を争うのでは。武市を信じ、武市の為に何かを為そうと精一杯動き、そして武市を誰よりも追い詰めるもの。

大義は恐ろしい。
あの時代の命というものが、どのように考えられていたのかは実感としてよくわからない。親として、子の命を大事に思うのは何時の時代もかわらないとは思うけれど、自分の命と心情や体面との比重というのは、現代とは違っているだろう。体面ひとつとっても、その意味も、それに連なる命も、現代とは違っているから。
それでも、やはり悩み苦しみ、逃れられないものなんだろうと、武市を見ているとそう思う。

そして、それを軽々と脱ぎ捨ててしまうのが龍馬だ。
他藩の攘夷の志士たちとの会合でも、「お殿様に体面さえできない己を恥」と思う武市と、まだ脱藩もしていないのに、まるで浪人のように藩を抱えていない龍馬との差。
今までは単なる甘ちゃんに見えていた龍馬だが、今回はそうでもなかった。
武市の空回る苦悩を飛び越えるような度量が、ひょっこりと顔を出したように思う。
――この辺、福山龍馬が上手いのか、大森半平太が上手いのか、その辺はよくわからんけど(^^;)。

以蔵がとても哀れでしたね。彼が心から信じているのは武市の「思想」ではないのだろう。己れを認めてくれた武市自身を信じている。以蔵は決して頭でっかちではなく、感情のヒト。「思想」にからめ取られている武市の許、同じ弟子の中でも宮迫とは対照的に描かれてます。
武市の思想のために、武市を追い詰める宮迫と、ただ感情のままに龍馬に縋る以蔵。見ていて興味深かったですね。

それにしても、武市の部屋に書かれていた「攘夷」の文字。下手じゃん? と思ってしまったのは内緒です(笑)。

結果として、龍馬が山本琢磨を逃がします。その山本が放浪の末、信仰を得、神父になるとは驚きましたが。

「この不始末は私の責任。責めは私が」と上司の前に土下座する武市の姿からは、それが悔しいとか辛いという感情は伝わってこなかった。結局土佐へ帰ることになり、龍馬を相手に「もうワシの邪魔はするな」と言い捨てているけれど、あの土下座の姿からは「腹を切らせる」ことから開放された安堵感を強く感じた。人間、どちらか一方だけになってしまうことはないんじゃなかろうか。「思想」という「大義」にがんじがらめになってしまい、その結果仲間を死に追い込んでしまう武市の姿は哀れです。
が、そうして「時代」が進行するのもまた事実なのでしょうね。

龍馬には、未だ負うものがないから、ああして身軽にいられる。そして、最終的に龍馬は「身軽」でいるために、大切なもの(=家族)を捨てることになるのです。

全てを得ることはできない。
ってことですかね。

琢磨切腹の前夜、月光の下、加尾が、弥太郎が、琢磨が、龍馬が、それぞれに映し出されます。
龍馬は、何かを思い定めるように真剣をふります。振り下ろした剣先がゆらりと揺れたのは、龍馬の迷う心を表したのだと思いたい。(決して下手だから動いたのではなかろう・笑)

さて、最後まで無視して来ちゃったのは、弥太郎です。
とうとう、弥太郎が「商売」の可能性に目覚めます。
そうだよ、学問だけが身を立てる道ではないのだよ。

あの牢に月光が差し込むシーンは、キリストの誕生シーンを被せているんだそうです。
なるほどね。キリストというには、ちょっときちゃないけど(笑)。
相変わらず、ほんの僅かばかりのシーンなのに、弥太郎はとても印象的です。

今後が楽しみですな(^^)。

さて。瑞喜さま発案による、今週の一言!
「僕は、君が大好きだ!」(千葉重太郎)
だと思いますが、さて、みなさまはいかが?

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コメント

顔が赤い~、まっかっかじゃ!

毎度、丁寧なあらすじ&感想をありがとう~(今回は、アップが遅くて心配したよー)

いや、今回も、あっしは美味しいところだけ…
>今週のひとこと
気に入ってくれて、嬉しい!
でも、今回。残念ながら、一つに絞れない(つーことは、印象が分散したっちゅーことですね。)
時計事件 なんて、そんなことあったんかいなー、っていう感じだし。龍馬が助けて、武市が責任を取るっていうのも、当たり前すぎて。
でも、ポちゃんがいう「大儀」の恐ろしさ。ええ、感じました!
これは、幕末の狂気集団・新撰組にもいえること。(現代の我々から見れば)理不尽この上ない切腹も、集団を率いるためのケジメ。新撰組まで徹底してなくて、山本琢磨は逃げれるんだけど…

確実に言えることは…
千葉道場、ナイス!貫地谷佐那、渡辺重太郎、ぐ~♪ 彼らが画面に登場すると、ほっとします。今回は、彼らに纏わる話がツボでしたヨ。
『僕は君が好きだ!』(by千葉重太郎)も(・∀・)イイ!!ですが、
『顔が赤い~、まっかっかじゃ』(by坂本龍馬)も捨てがたい。
佐那さんが龍馬を待って一生懸命花嫁修業をするのが、とてもかわいい♪ 

そして、
香川弥太郎ファンとしては、彼の方向が定まったであろう一言
『10両でこうたもンを200両で売る』(by名もない端役… 多分)
これもまた、今週の一言、一押しです(って弥太郎ファンだから!?)
>あの牢に月光が差し込むシーンは、キリストの誕生シーンを被せている
天啓っちゅーやつですね。そんな感じがしたよ。これまで、空回りしていた弥太郎の腰が定まった瞬間。(いいシーンだ。そして、いつにも まして、きちゃなかったね)

広末加尾と宮迫兄は、まぁ、おいといて…(;^ω^)

そういえば、見終わった後、強く思ったのは…
山本琢磨。脱藩して、新潟に逃げて… 立派に生きているんですよ。すごいと思いませんか? 例えば、(これからする)龍馬の脱藩って準備が出来てると思うんですよ。悩んで悩んでそれで、出て行くんだから、出るまでに準備や人脈が出来ているはず。 今回の山本琢磨の場合、急に発生した事件ですよね? 準備なんか整っているはずもないのに、(実際には龍馬が持たせたではないにしろ、誰かが多少は差し入れたとしても下士ですよ?急にそう十分な額を揃えれないはずなのに…)よくぞ、生き抜いたと… 江戸に修行に出るくらいだから、エリートだろうに… エリートだから? この時代の人間の逞しさを感じましたネ。
と、今日第10話。なんか、広末加尾と福山龍馬のロミジュリ!? けっ。いちばん真実味のない恋愛事情だ… ん? ロミジュリ? ということは …反対されるから燃え上がるっちゅー奴なのかしら??

| 2010/03/07 |  02:50 | 瑞喜 #EBUSheBA |  URL | 編集 |

>瑞喜さま

> 今回は、アップが遅くて心配したよー
 うは。すみません!(^^;)
 もう見逃すとやばいというのが、よっくわかりました(笑)

> >今週のひとこと
> でも、今回。残念ながら、一つに絞れない(つーことは、印象が分散したっちゅーことですね。)
 私は10回がそうでした。

> 時計事件 なんて、そんなことあったんかいなー、っていう感じだし。龍馬が助けて、武市が責任を取るっていうのも、当たり前すぎて。
> でも、ポちゃんがいう「大儀」の恐ろしさ。ええ、感じました!
> これは、幕末の狂気集団・新撰組にもいえること。(現代の我々から見れば)理不尽この上ない切腹も、集団を率いるためのケジメ。新撰組まで徹底してなくて、山本琢磨は逃げれるんだけど…
>
 今回の場合は同意できませんでしたが、「大義の為に切腹もやむなし」とする自分も実はいたりします。と、同時にそれを「馬鹿馬鹿しい」と思う自分もいます。時代によって価値観は変わりますし、誤解を恐れずに言ってしまえば、「個人の命」が最も重要視されるものか、と問われたときに、そうでない選択もあり得ると思います。
 なんつーか、難しいですね。

> 確実に言えることは…
> 千葉道場、ナイス!貫地谷佐那、渡辺重太郎、ぐ~♪ 彼らが画面に登場すると、ほっとします。今回は、彼らに纏わる話がツボでしたヨ。
 そうですね!

> 『顔が赤い~、まっかっかじゃ』(by坂本龍馬)も捨てがたい。
> 佐那さんが龍馬を待って一生懸命花嫁修業をするのが、とてもかわいい♪ 
>
 なーるほど! 確かに佐那さんは可愛いかったですね~♪

> そして、
> 香川弥太郎ファンとしては、彼の方向が定まったであろう一言
> 『10両でこうたもンを200両で売る』(by名もない端役… 多分)
> これもまた、今週の一言、一押しです(って弥太郎ファンだから!?)
>
 おお! 確かにこれも捨てがたい。「出たっ!」って思いましたよ~(^^)

> 山本琢磨。脱藩して、新潟に逃げて… 立派に生きているんですよ。すごいと思いませんか?
 私も、あの番組後の「龍馬伝紀行」がとっても気になりました。
 ひとこと。えええええ、すごい! でしたもん。
 まさか、そんな風に生き延びるとは! とはいえ、時代に翻弄された彼が信仰に救いを求める気持ちはわかるような気がしますね。

| 2010/03/09 |  12:03 | ポトス #- |  URL | 編集 |

山本琢磨

次が上がっているのに今頃のコメントですみません。

>> 山本琢磨。脱藩して、新潟に逃げて… 立派に生きているんですよ。すごいと思いませんか?
>私も、あの番組後の「龍馬伝紀行」がとっても気になりました。
 ひとこと。えええええ、すごい! でしたもん。
私も、これにはびっくりしました。
御茶ノ水の大聖堂前は学生の頃、毎日前を通っていましたし、あれに関わった人だったんだとしみじみ思いました。
もしあそこで命が終わっていたら、あとの60年近い人生はなかったわけで、生を生き、未来を作っていくというこがいかにすごい事かと思わず唸りました。
対照的なのは龍馬で、あの人があそこで死なずに生きていたら、どんなにか歴史を動かすいろんなことをやらかしたのではと考えると、残念でなりません。

| 2010/03/10 |  11:43 | ゆずママ #bP8NJWfM |  URL | 編集 |

>ゆずママさま

こんにちは~! 見捨てずにいらしていただいて嬉しいです~(^^)

> >> 山本琢磨。脱藩して、新潟に逃げて… 立派に生きているんですよ。すごいと思いませんか?
> 私も、これにはびっくりしました。
>
 ですよね! 今までの龍馬伝の中で一番びっくりしたかも!

> 御茶ノ水の大聖堂前は学生の頃、毎日前を通っていました
>
 えええ。それもまたご縁ですね~!

>生を生き、未来を作っていくというこがいかにすごい事かと思わず唸りました。

 確かにその通りですね。
 生きていれば、いつか楽しい日もやってくるから。
 そう言ったのは誰でしたっけね。。。

> 対照的なのは龍馬で、あの人があそこで死なずに生きていたら、どんなにか歴史を動かすいろんなことをやらかしたのではと考えると、残念でなりません。
 うっふっふ。
 案外、外洋まで行っちゃって、帰ってこないかもしれませんよ(^^)!

| 2010/03/10 |  20:00 | ポトス #- |  URL | 編集 |

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