『龍馬伝』感想 no.20

2010/05/17 09:18

『龍馬伝』no.20 収次郎、無念

土佐で投獄された平井収次郎(宮迫博之)が拷問を受け、切腹に至るまでを描いた回でした。

ずっと脇でしたけど、龍馬の兄・権平(杉本哲太)が私はよかったな。
脱藩も許されたのだから、土佐へ帰ってこいと龍馬を連れ戻しにきたはずなのに、まんまと長次郎(大泉洋)にのせられて、勝塾に参加しちゃって。怒られて訓練して合格をもらって。
挙げ句の果てに「西洋の海軍はわしにはわからんけれど、みんなが一生懸命なのはわかった。自分の決めた道を進め」って、長次郎の思惑通りぢゃ~ん、な展開なんですけどね。杉本さんの演技のせいなのか、まいっか、と思っちゃって。

私は龍馬よりもこの権平さんの懐の広さに魅力を感じます。というか、封建制というと時代錯誤な差別とか人権無視とかが強調されがちですが、そこには、この権平さんのように一家を支えた主の存在が必ずあったんだと思うんですよね。歴史的の記録に残るような特別な家の事ではなくて。至る所にあったはず。
それは明治や江戸まで遡らなくても、つい60年くらい前まで存在したのではないか、と自分の回りを見回してそう思うわけです。例えば、戦地から身ひとつで帰ってきた弟(息子、じゃなくて)に、職を世話し家を建て嫁の世話をし、独立できるようにしてやる。それを、当たり前として、何の見返りも求めずに。そんな人たちが当たり前のように存在していた。
社会が貧しかったから。自分一人では生き延びることは難しいから、身内が肩寄せ合い、持てる者が持たざる者を当然のように援助したのかもしれない。そこに見返りを求めずに。
それが全てだとも、そんな人ばかりだとも言いませんけど、でも、そういう側面も持っていたことは間違いないと思うわけです。

物事は見る角度によって、違ったものが見える。
ってことですかね?(^^)

また、この権平さんといい、八平さんといい、乙女姉やんはじめとする坂本家の女たちは、常にこの龍馬の核で、決してそれを裏切ることはない。「途半ばで命を落としたらいけない」と締めくくってますし、完璧ですね。理想?家族のひとつの有り様なんでしょう。
最初はまるで対比のように描かれていた岩崎家も、最近は様子が違いますしね(笑)。
でも、岩崎家のお嫁ちゃん、「手相占い」が飛び出してくるとは想いもしませんでしたがな。今回も笑かしていただきました(^^)。

そうそう、坂本家の女性4人は相変わらずいいですね♪
材木を売りつけに来た弥太郎を、団扇ひとつで追い返しています。
いや、あれには対抗できませんな(笑)

さて、本題以外が長くなった(^^;)。
怪物・容堂公ですが。ところてん食べたり、クワガタと遊んだり。鯨酔公といえど、酒ばっかり呑んでるわけじゃないみたいです(笑)
(この後クワガタに耳をはされたのね~と思って吹きました・笑)
後藤象二郎は、なんちゅーか、器のちっさい男に描かれてますね。吉田東洋の時代にしろ、暗殺された時の態度にしろ、今回のことにしろ。このドラマ、どんな人物にもキラリと光る何かが描かれていると思うんですが、この後藤象二郎だけはいいとこないっすねー。いや、まだわからんか。大器晩成か?

宮迫兄は、最期までよく頑張りました。最後になっても、武市を一言も責めなかったですね。あまり良い描かれ方はしていなかったと思いますが、男を上げました。こういう人のためにも、自分を貶めるだけのループにはまっちゃいけないんだと思いますね、武市は。もっとも陶酔されても困りますけど。

武市の吉田東洋に対する恨みの深さも、再認識。
人間同士の感情は、どんな賢い人であろうと、理性的な人であろうと主義主張よりも根深いものがあるってのは真実なんだろうと思えます。私はそういうどろどろは見たくない方なんですが、否定するつもりはないです。それが人間なのでしょう。

勝塾を救うために、福井の松平春嶽公から千両ぶんどってこい! と言われちゃう龍馬は、みごと成果を上げるわけですが。
春嶽役の夏八木勲さんいいですねー。幕末四賢公のひとりとされていますが、さもあらんです。

夏八木さん(春嶽公)でしょ、近藤正臣(鯨酔公)さんでしょ、田中さんでしょ(東洋)、児玉さんでしょ(八平)、蟹江さんでしょ(弥次郎)、里見さんでしょ(千葉定吉)、渡辺さんでしょ(重太郎)。と並べていくと、「おかーさんておぢさんが好きだね」と言われても仕方ないような気がしてきますが(笑)。脇がしまるとかっくいいですね!

うーん、散漫な感想ですが、最後にひとつ。
加尾の龍馬にあてた手紙です。
「昨日、兄が切腹した。兄は最期まで侍らしく立派に死んだと武市に聞いた。兄は間違ったことはしていない、と武市は言う。だが、ならばどうして切腹しなければならないのかわからない」
これは、時代を超えたものだろうと思います。こういう一言を龍馬に投げかける存在として、それだけでも彼女は必要不可欠なのでしょう。恋愛関係にあった頃よりも、私は加尾を身近に感じました。

「世の中の流れから見れば、ひとりの人間の命など芥子粒同様」と言い放った横井小楠の言葉が、全ての中心なんでしょう。


次回、「故郷の友よ」。武市投獄されます。

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テーマ : 大河ドラマ - ジャンル : テレビ・ラジオ

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コメント

私も、おじさま好き

私は単純で、良かった、悪かった、感動した、しない、程度なので
深く読み込んでいるポトスさんの感想は、いつもすごいと感心しています。

>春嶽役の夏八木勲さんいいですねー。幕末四賢公のひとりとされています>が、さもあらんです。
>夏八木さん(春嶽公)でしょ、近藤正臣(鯨酔公)さんでしょ、・・・・・・・
「うん、うん、そうなのよね。」と私が激しく同意したところです。
夏八木さんは今が旬では?と思うほどたくさんのドラマや映画に出ていて
ほんとうにいい味を出してくれています。大好きです。
近藤さんはうますぎて、あまりにも憎にくしげにしてくれるので
今回はだいっ嫌いになりそうです。
まわりを埋めるおじ様がたがステキすぎてクラクラしてます。
大河の魅力はそういうすごい役者さんたちを揃えられるところなんでしょうね。
最初、キャストをみて「トレンディドラマか!」とも思いましたが
さすが大河です。やっぱり面白い。

こんどはいよいよ武市さんですね。
目が離せません。

| 2010/05/20 |  10:45 | ゆずママ #bP8NJWfM |  URL | 編集 |

>ゆずママさま

少々間がとんでしまって失礼いたしました。
いらしてくださって嬉しいです♪

> 私は単純で、良かった、悪かった、感動した、しない、程度なので
 ワタシだってそうですよ~。
 芝居とか演出とか分からないですしね。ミーハーってことで(^^)
 
> 「うん、うん、そうなのよね。」と私が激しく同意したところです。
> 夏八木さんは今が旬では
> 近藤さんはうますぎて、あまりにも憎にくしげ

 そうなんですよね。まわりの方がとっても渋いです♪
 それぞれの“怪物”っぷりがお見事ですわ。
 でもそろそろ弥太郎にも出番が欲しいですね。

> こんどはいよいよ武市さんですね。
> 目が離せません。

 もう明後日だなんて。一週間は早いですね!

| 2010/05/21 |  07:36 | ポトス #- |  URL | 編集 |

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