初体験

2010/06/03 02:48

ワタクシ、お芝居というものを見たことがございませんでした。

オペラは一度だけ。『タンホイザー』を。
 ↑どうしてヒロインがタンホイザーに惚れたのか、非常ーーーに不思議な物語でした。え? そういう話じゃない?
ミュージカルも一度だけ。『ウィキッド』を。
 ↑二次小説って、やっぱ楽しいじゃん!<もっと違う!(笑)
能・狂言は2度ほど。
 ↑いや、鼓がよかったです。狂言はゲラゲラと笑いました。謡は…舟漕ぎました(^^;)。
歌舞伎。見たことないっす。
吉本新喜劇
 ↑親睦旅行の宴会の席に、吉本興業の若手さんが突如いらっしゃいましたが…え? これも違う?

ホント、経験の少ないワタクシでございます。教養がないと申しますか…
で。本日はじめてお芝居というものを見に行きました。

とよだ その32 2010年6月2日(水)~6月6日(日)@芸協アトリエ
 「清兵衛と瓢箪」
   作 志賀直哉 演出 田中亮一
 「稲葉小僧」
   作 三好十郎 演出 青野武
                      劇団芸協HP

思ったよりも、舞台と客席がずっとずっと近くでした。ほんの数mほどのところに舞台。
でも、そこは別な空間なんですね。役者さんが出てきて、お芝居を始めた途端に何かが変わった。
そして、役者さんも変わるんですね。役によって。

いや、それを知識として知らないわけではありませんでしたが、実際に見るのでは大違いです。顔の表情から、仕草まで。くるり、と振り返った瞬間に、ちゃんと別の役になっている。
いや、面白いと思いました。

「稲葉小僧」にはセットがありまして。
懐かしい病院の風景がそこにありました。
私の実家は、隣が医院です。あの青っぽい壁。黒電話。筆で書かれた文字。そして柱時計。
コチコチコチコチ、と大きな音をたてて柱時計が時を刻むと、一気に時が遡る。

昔、実家にあった柱時計を思い出したら、この週末に一周忌を迎える母のことを思い出して涙がでそうになりました。
あの空間にいた人たちは、あの音に何を思い浮かべていたんでしょう。

そして登場する稲葉小僧とその弟分。
最初、刑事さんが犯人探しに来たのかと思った。

稲葉の兄貴は、ひとり語りが始める。
それがとても浮いて聞こえるんですね。というか、ひとり自分の世界にこもっていて、全然そこから出てこないんです。
私はお芝居というのを初めてみたので、そういう演技が普通なのかな、と思ったんです。
弟分?の彼は、とても開かれています。それがとても対称的だったので。
そこに看護婦さん、お医者さん、昔の女(ひと)、その妹、と登場。
子どもが腸捻転になってしまって危篤状態にある昔の女(ひと)もまた、輪が閉じている。
そのふたりの台詞が、他の人たちと絡まずに滑って行くんです。

閉じた輪と開かれた状態の差に違和感を感じながら、物語は刻々と進み。
けれど、いろんな人間関係がぐっと絡まった瞬間に、ぱっとその違和感が消えた。
目が覚めるような想いとはこういうことでしょうか。
いや、びっくりしました。
人間関係やその人の心情をこんな風に表すことができるんですね!

それからは、水が流れるように物語が進んでいきました。
柱時計の音と、最後の汽車の音がとても印象的で。
開演前は緊張で足が振るえるほどだったのに(←私が緊張してどーするのさ・笑)、どんどん物語に引き込まれていった。

繰り返しますが。
ほんの数メートル先の空間に、全くの別世界が存在する。
これは面白いな、と思いました。
彼らの人生が、形を作って自分の中に落ち着いて行く。

へええ。お芝居ってこういうものなんだ。
とても興味深く思いました。

顔の表情からお声・雰囲気まで、くるりと振り向いただけでがらりと変わる。
今にも目がこぼれ落ちそうな弟分の方のくるくると変わる表情。
決める時には、キラリと目が光るという稲葉の兄貴。(私の席からは見えなかった! 残念)
抜群の間と物言いが笑いを誘い、時にぐっと心を揺さぶる看護師さん。
それぞれの個性がひかり、それがぐいっと絡まる瞬間がとても面白かったです。

また、秋に公演をなさるそうです。
是非見に行きたいと思いました。(^^)

背中を押してくださった某様&某様。
罹患患者と認定してくださった某様。

ありがとうございました<(_ _)>

その後のヲタ話も含めて。とても楽しい一日でございました(^^)

よもやま  | コメント : 6  | トラックバック : 0 |

コメント

No title

ポトスさんの感想、
いつもほんとにすばらしい文章で、今回も目の前に舞台が見えるようです。
ポトスさんの感動も、とってもよく伝わってきて、
読んでる私が嬉しくなってきます。

えーーと、 高校時代 演劇部にいました。
楽しかったです。(小学生か!)
そんなんで、舞台やらなんやら好きなんでしょうね。
いつかぜひご一緒しましょう。



| 2010/06/03 |  20:29 | ゆずママ #bP8NJWfM |  URL | 編集 |

>ゆずママさま

ポトスです。
いらっさいませ。(^^)

> ポトスさんの感動も、とってもよく伝わってきて、
> 読んでる私が嬉しくなってきます。
>
 過分にお褒めいただき、恥ずかしいです。(^^;)
 でも、それが分かっていただけたのは嬉しい♪
 音楽の時もそう思いましたが、スクリーンで見るのとはまた違ったものがあるんですね。 
 生、ってホント面白いですね♪

> えーーと、 高校時代 演劇部にいました。
> 楽しかったです。(小学生か!)
> そんなんで、舞台やらなんやら好きなんでしょうね。

 おおお! それはびっくりです!
 でも、そう伺って納得。舞台に立っているお姿想像してしまいました♪

> いつかぜひご一緒しましょう。
 
 是非! 楽しみにしてます! 

| 2010/06/05 |  10:12 | ポトス #- |  URL | 編集 |

舞台はイイよね♪

イイよねイイよね~~、わかります。
実は私も演劇部だったんだよ~(w)。廃部になっちゃったけど何度か主役やったし(オーディション受けて・w)。
演出にもすごく興味があります。オーケストラの指揮者と同じで、演出で舞台がガラリと変わる。で、演出家さんにはお会いしなかったの?
道は拓ける!!なんとか潜り込むんだ!!ガンバレ(w)!!

| 2010/06/05 |  21:12 | ERI #- |  URL | 編集 |

>ERIさま

いらっさいまし♪

> 実は私も演劇部だったんだよ~(w)
 えええー。びっくり! でも納得!
 演劇部の方って案外いらしたんですね~(^^)

> 演出にもすごく興味があります。オーケストラの指揮者と同じで、演出で舞台がガラリと変わる。
 あ。私は合唱でその経験したことがあります♪
 演出家って不思議な存在。とても面白いですね。

>で、演出家さんにはお会いしなかったの?
> 道は拓ける!!なんとか潜り込むんだ!!ガンバレ(w)!!
 ERIさ~ん(滝汗)
 残念ながらお会いすることはできませんでした。
 ですがね。ふっふっふっふ。自分の中で一線越えた感じです(笑)
 

| 2010/06/07 |  07:59 | ポトス #- |  URL | 編集 |

たぶん同じ日に観たかな?

今晩は。お久しぶりです。
初日なのにきっといろいろあって姿が見えないんだなあと思っていたので、
やはり入院していたんですね。

初めての芸協さんのお芝居は初体験ならきっと一層グッとくるものがあったのでは。

私は当日子どもと前の席で観ておりました。

隣のご年配の方が携帯の電源に戸惑っていたり、
劇場で観るよりアットホームなアトリエ公演ですよね。

青野さんの回復をお祈りします。

図書館も入館させていただきましたよ。

それではまた。(^.^)/~~~

| 2010/06/27 |  22:58 | 碧陽鈴(へきようれい) #- |  URL | 編集 |

>碧陽鈴さま

いらっさいませ。

私の思い込み(てっきり更新情報へのコメントだと思っていたんです^^;)で、どの記事についたコメントなのかわからなくて、お返事遅れました。(_ _;)

> 初日なのにきっといろいろあって姿が見えないんだなあと思っていたので、
> やはり入院していたんですね。
>
 そうですね。私も詳細は存じ上げませんでしたので、記事を見て驚きました。

> 初めての芸協さんのお芝居は初体験ならきっと一層グッとくるものがあったのでは。
>
 ええ。お芝居自体が初めてでしたら。
 あの感覚は面白いですねぇ。(可笑しいという意味ではなく)

> 隣のご年配の方が携帯の電源に戸惑っていたり、
> 劇場で観るよりアットホームなアトリエ公演ですよね。
>
 本当にそうでしたね。
 今度は劇場でも拝見してみたいです♪

> 青野さんの回復をお祈りします。
>
 一日も早くお元気になられることを、私も心からお祈りしております。

> 図書館も入館させていただきましたよ。
>
 ありがとうございました<(_ _)>
 まだこれから公開のコンテンツもありますので、またお越しください。

 暑い日が続きます。お体お大切に。。。

| 2010/07/02 |  17:55 | ポトス #- |  URL | 編集 |

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