子育て今昔

2010/06/09 09:03

子育てをしていてしみじみと感じたのは、「常識」というものの幅広さだった。

ということは以前にも書いたように思う。

私は常識と非常識の境界には一本のラインがあり、それを越えるか否かという問題だと思っていた。
その線引きをどこにするかは人によって多少の差はあるものの、たかが知れていると考えていたわけだ。
けれど、私が思っていた以上にその差は大きく、常識と非常識の境界を為すものは「線」ではなく「帯」なのだ、と思うに至った。

だからか「今の若いおかあさんは」と一括りにされるのも、するのも大嫌い。
これは褒められるのもけなされるのも、どちらも、いや。
「イマドキのお母さん」なんてものが「どこに」存在するんだよっ。
「まとめて」「傾向」を考える事は必要だからといって、それで個人を判断するなよ、とついムキになってしまうのが、私の感情論でしかないというのは一応わかっているつもり(^^;)。

でも。母や祖母たちの世代の子育てを考えると、言われても仕方ないか、とも思う。

先日の母の一年祭(一周忌)での伯母の言葉だ。

「今の若い人たちはいいやね。自分の子どもだけ見てられっからね」
にこにこと穏やかに笑むこの伯母が、長男の嫁としてとても苦労をしてきたことは、私でさえ知っている。もっとも、私なんかの知らない、知ることのできない苦労が更にあったのだろうことは容易に想像できるが。
「そうですね」
一瞬もやっとしたものを感じつつも、飲み物をつぎながら私は答えた。
「そうだよね。義姉さんたちには畑があったもんね」
と、隣りに座る伯母が言う。
父の実家は農家だ(現在も従兄は不動産業を営みつつ、田んぼもやっている。めちゃくちゃ、偉い従兄ナノダ)。
「おばさんたちはさ。子どもの顔見ることもできなかったからね」
やはり、にこにこと笑みながら伯母が言った。

畑仕事に小さな子どもを連れていったというのは、父からも聞いていた。
畑のそばに籠を於いて、その中に赤ん坊を入れて置く。どこかに行ってしまわないように、ひもをくくりつけて。
それは、幾度も聞いていたので知っていたのだけど。

「子どもの顔を見るとさ。抱っこして欲しいから、子どもが泣く。子どもを泣かせちゃ可哀想だから、子どもの顔を見ちゃだめだ、ってあたしらはおばちゃん(=祖母)から言われたからね。だから、みっちゃんもたかちゃんも抱いたことなんかなかったがね」
にこにこと穏やかに伯母がそう言うのだ。

ショックだったなあ。
そういう事をしていた伯母たちのことでも、そう言う祖母たちの事でもなく、そんなことにも気が付かなかった自分のバカさ加減に、だ。

そうして育ってきた父たちは、必死になって働き家族を守った。
子どもの顔を見て、笑顔で、話しかけながら母乳/ミルクをあげましょう。と(私が読んだ)育児書には書いてある。

たった40年前、50年前の話とのこの違い。
昔が良かったとも、昔が悪かったとも思わない。
いつだってみんな必死に生きているし、子育てだってしている。

けれど、私たちは受け継いだものと受け継がなかったものがあるのだと、近頃とみにそう思うことが多い。
たぶん、私が受け継いだものを受け渡す立場にいるからなのだろう。
――気づくのが遅いよ、と言われるのはその通りである。

「だからさあ。孫の世話は楽しいよ。えらい(=疲れる)けどね。泣いたらおかあちゃんに返しちゃえばいいんだし」
やはり、穏やかに伯母は笑う。

我が子が戦地に送られる、それがないだけで私は幸せだと思っている。

私が伯母の年齢になるには、あと40年以上生きなければならない。
ということは、人生の折り返し地点か?(笑)
あと40年か。
その時私は何を語ることができるだろう。
しっかり生きなきゃだめぢゃん。

そう思った。

↓この本とどう繋がるかは、まあ、ひとそれぞれです(笑)

『五人の英知に聞く 環境保護は日本の歴史に秘策あり!』
 □BSフジ「PRIME NEWS」編  □文藝春秋  □2010年3月10日
 □p125 □ISBN978-4-16-372510-9 C0095

よもやま  | コメント : 2  | トラックバック : 0 |

コメント

あたしの場合・・・

・・・子育てを語る前に、結婚せいっ・・・と世間様から散散いたぶられております。 嗚呼、アラ厄(自爆)

| 2010/06/09 |  22:23 | Tacke #- |  URL | 編集 |

>Tackeさま

いつもどうもです♪

> ・・・子育てを語る前に
 子育てはいつ誰が語ってもいいのだと思いますよん。
 いろんな視点が必要だと思いますんで(^^)

ところで。上記の伯母の上に「あねさま」と呼ばれる伯母がおりますが、彼女は60歳過ぎてから3度目の結婚をし、嫁にいきましたぞ。今もお二人お元気で、仲良くされとります。
嫁に行くかどうかはまあ別問題としても、幾つになっても恋していたいものですね♪

| 2010/06/10 |  19:55 | ポトス #- |  URL | 編集 |

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