『龍馬伝』no.46感想

2010/11/14 23:59

『龍馬伝』no.46 土佐の大勝負

面白かった! 何よりも後藤象二郎が良かった。この『龍馬伝』に魅力的な人物がたくさん登場し、中でも伊勢谷友介扮する高杉晋作に私は惚れてましたが、この後藤象二郎も良かった! 伊勢谷晋作は「たとえ行く先が地獄だろう付いていきますっ!」という惚れ方だったのだけれど、この青木崇高扮する後藤は「私もこうなりたい!」です。

土佐が薩長・幕府と並び立てるようにと龍馬が用意した最新式ミニエー銃1千丁。
「どっちを向いて使う気だ?」とナイスツッコミの容堂公。
「将軍家の権威は既になし。どうか、坂本龍馬にお目通りを!」後藤、勝負の時です。

さて、容堂公との対決の前に、龍馬は懐かしの生家に戻ります。
ぬか床をかき回していた乙女が、その手で龍馬の頬を挟んで喜んだのは良かったですね。龍馬の帰宅に、大喜びの女たちにこれまた大喜びの龍馬ですが、兄・権平には、立ち上がって「ご無沙汰しておりました、兄上!」と一礼しています。こういうちょっとしたシーンが、時代やら龍馬の思いやらを感じさせますね。

後妻として入っていた継母・伊與(いよ)の位牌に手を合わせる龍馬。
最後まで龍馬の事を心配していた、と聞かされる。
「龍馬さんに母親らしいことは何もしてやれなかった」と一言だけ病床で語るシーンがありますが、この松原智恵子さん、大変に素敵な存在感のある方だと思います。
坂本家の女たちは、皆元気でたくましい。その中では、おとなしやかで控えめな印象がありましたが、芯の強い女性でした。たったワンシーンでも、この回の中で強い印象を残しています。

で、何故か岩崎家と合同宴会が始まる(笑)
やっぱり、弥次郎(蟹江敬三)がイイですね。蟹江さんは、ホント上手いです。あのやさぐれ加減は見事で、そこに、弥次郎は弥次郎の志ってのを時折滲ませるわけです。

「士(さむらい)が商売をするのはいい。だが、それが商人(あきんど)と同じじゃいけない。自分が日本を支えるという気概を持っていなければ、士ではない!」

名台詞だと思います。
いや「あんた、そんな事をえらそーに言えた立場かいっ!(笑)」っていうツッコミはありですけどね(σ ̄ー ̄)σ 。

龍馬は「弥太郎には弥太郎だけの生き方がある」と答え、「それは誉め言葉か?」と弥次郎。頷く龍馬に、そんならいいきに、と相好を崩して、また踊り出す。
極貧の暮らしもし、侍としての意地も誇りも捨て去ったかのような父親。いや、侍としての意地や誇りを捨て去れなかったからこその貧乏暮らしか? それにしちゃ、だらしなさ過ぎだけど。うふふ。
そして、時折見せる父親の顔。そんないくつもの面を蟹江さんは弥次郎という人物の中から掘り起こして見せてくれていた。

その頃弥太郎は、長崎の土佐商会で、自分の商売をする算段を始めています。
弥太郎が主任を追われたことを、残念に思っている人間がたくさんいる。どうか、自分もそこに加えて欲しい。これからは、刀よりも算盤が大事だ、と。
初めてなんじゃないでしょーかね? 弥太郎が、人から乞われたのって。香川さんの驚いた表情が印象的です。三菱弥太郎、ここに生まれる、って処でしょうか。

さて。先週も書きましたが、『龍馬伝』公式HPに青木崇高さんのインタビューがありました。
 後藤象二郎の正義

容堂公に、龍馬との面会を迫る後藤。
「今のこの世の流れをつくったのも、薩長同盟を成立させたのも、薩土の盟約をとりもったのも坂本です」
「おんし、どうしてそれを黙っっちょった!?」
容堂公の詰問に唇をふるわせ、言葉に詰まる。

沈黙の後。
「妬ましかった! 下士の分際で、おじ・吉田東洋さまに認められ、脱藩者でありながら次々と大仕事をする坂本が妬ましかった!!」

絞り出すような告白です。
ここで自分の姿をさらけ出したからといって、それで妬心がなくなる訳ではない。取り繕うことだってできたはず。だが、後藤はそれをしなかった。
人と人の魂のぶつかり合いは、嘘を許さない。真実を吐き出すことにどれほどの意味があるのかなんてことは関係なく、ただ真実を求める。
その姿に人は突き動かされるものなのかもしれません。

龍馬と容堂の対面は、庭に龍馬が土下座。畳み廊下で容堂が言葉をかける。
「脱藩者のくせに、しらじらしい口をきいていた」
「直訴とは受け入れられなければ、腹を切らなければならないものだ」
「武市を切腹を命じたのは自分だ。下士を殺してきたのも自分だ。ワシが憎くはないのか?」

「憎いです!」と思わず立ち上がった龍馬に、上士達は無礼者と色めきますが、そこに「やめや!」と後藤の一声が。「申し訳ございません」と容堂に頭を下げる後藤。
いや、格好良かったですよ。

自分では容堂を動かせないことを認識し、妬ましさを捨てきれないままに、それでも龍馬を必要とする。
その相反する感情は、己れの使命と志を実現するために呑み込むしかない。自分の命運全てを目の前の龍馬に託すしかない。その心持ち。

いや、漢だね。

龍馬は偉い。龍馬は、スゴイ。
龍馬が成し遂げたあれこれ。考え出したあれこれ。余人にはでき得ないであろうことども。
でも。
龍馬だけでは、歴史は回天しない。
こうして後藤が動いたからこそ、容堂が動いた。容堂が動かなければ、慶喜もまた動かなかっただろう。
では。
皆を思惑通りに動かした龍馬が一番偉いのか?
いや。
誰が欠けても、歴史は回天しなかったのだ。歴史は龍馬だけのものではないのだ。

そんなことを、この後藤の成長ぶりを見ながら考えていました。
ああ、この『龍馬伝』はそれが書きたかったのかな、とかね。(<図々しい?笑)

対面の後。鯨酔公と後藤がふたり、庭をみつめながら朝を迎える。
「ワシが大政奉還の建白書を出して、慶喜公の怒りをかったら、この山内家はお取りつぶしになるやもしれん」
容堂公の呟きを、後藤は、受け止める。
「お殿様が覚悟を持って建白されるなら、それに異を唱える家臣は土佐には一人もおりません」
一瞬の、間。振り返る容堂公が、後藤に杯を差し出す。
驚き、だがそれを受け取る。容堂公自らの手で酒が注がれる。後藤が飲み干す。
心からの笑みを浮かべる容堂公に、杯を返す。
「武士の世を終わらせるかい?」
にやり、とし、杯を干す。

いや、イイシーンだったねえ。
幕府の力の無さを心底分かっていながらも、見捨てることも、反旗を翻すこともできずにいた容堂公が、初めて心からの笑みを浮かべる。
――何を思っていたのか。
生まれ落ちたときから、己れの一生は決まっており、それを手放す自由さえもなく。その肩には、家臣とその家族の命がずしりとかかっている。四賢公と言われたほどの男だからこその苦悩があったはず。

建白書を書く容堂公は、白装束でしたね。
松平容堂、と署名。

「鉄砲1千丁は土佐藩が九千両で買い上げる。だが、それは決して徳川には向けない。あくまでも、土佐を守るための武器だ」と。――なんだか、どっかで聞いたような台詞ですが(笑)。

「武士や大名が無くなった世に何が残る?」という容堂公の問いに、龍馬は「日本人が残る」と答えました。

どうしてワシを信じたのか、と容堂が尋ね、武市にかけた言葉を引き合いに出すあたりは、うーん、ファンタジー。っていうか、容堂と龍馬が対面してるのも史実じゃないよね? ま、もういいけど。

最後は、後藤が龍馬に握手を求める。
ひとつの大事を成し遂げた後藤が、大きく成長した姿でした。

こんな漢になれたらいいよね。龍馬も悪くないんだけど、私は後藤に惹かれたなあ。いや、良かったですよ。
青木さん15㎏も太られたというのは、無駄じゃなかったですよ、きっと!

次回、大政奉還。
「新しい日本の夜明けぜよーーーっ!」


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テーマ : 大河ドラマ - ジャンル : テレビ・ラジオ

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コメント

う~む。。。

また間に合わんかったやんか(>_< と自分ツッコミしてます。
先週から、「もう最終回までは観るぞっ!」って決めたのに、、、
そのくせ某番組の時間までには"ちゃっかり"TV(もどき)の前に座っている自分って、、、(愛!?)。

おもしろそうですねぇ。脇役が生きてこそナンボ、のドラマですもん♪ 来週こそ見るぞっ。

| 2010/11/15 |  00:11 | 綾乃 #d/CpiV46 |  URL | 編集 |

Re: コメントありがとうございます

>綾乃さま

> また間に合わんかったやんか(>_<
> 先週から、「もう最終回までは観るぞっ!」って決めたのに、、、

 先週は私も録画で見ました。何しろあっちで大騒ぎ? いや、虚脱状態でしたから…^^;

> 来週こそ見るぞっ。

 そーですねー。あと2回!!ですから!
 あ、ダイジェスト版やってるみたいですよ~♪

> 脇役が生きてこそナンボ

 ですよねー。でも、この「龍馬伝感想」で私は一体どれだけ龍馬に触れたのだろう…あはははは。
 脇好きなんですよねー。しみじみ。
 龍馬も、福山くんも、決して嫌いじゃないんですよ☆
 (だから見てたし、こんなに感想も書いた・^^) 

| 2010/11/15 |  07:59 | ポトス #- |  URL | 編集 |

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