何ができるだろう?【追記あり】

2011/03/13 18:57

刻々と被害が明らかになっていき、その甚大さに思考がついていかず、今現在、彼の地で何が起きているのかなかなか実感できずにいる。
たぶん。
いつになっても、きっと本当にはわからないのだろうと思う。

それでも、何かできることはないものだろうか。
そう思いつつ、ニュースを見ている。

***

電車が止まって帰宅困難者となった長男を、往復5時間かけて迎えに行った。
「迎えにきて~」という呑気さには頭を抱え、怒り心頭に、という私を次男が宥めながらの車中。
迎えに行って驚いた。
揺れがあったとき部活をしていたと言い、揺れの後、当然部活中止の放送があったものの「大丈夫じゃね?」という事になって部活を続けたのだという。顧問もやって来たが、何も言わなかったとのこと。

あの!
と、イロイロと言いたいことはあるし、実際息子にはたんまりと言ったけど、ここでは割愛。
「連絡がつかなくて、どんだけ心配したと思ってるんぢゃーーーーー!」と叱り飛ばした。

驚いたのは街の様子だ。
車でたかが40分、つまり10数㎞の距離。
何事もなかったかのように、街は平時と変わらない。
店は開き、人は買い物をし、外食店もいつものようす。

迎えにいく途中、自宅のある市内は一部停電し、信号が消え暗くなった道路では、警察が出て交通整理をしていた。幹線道路には車が連なり、渋滞していて動かない。途中のコンビニから食べ物(お弁当等)は消えていた。

私たちは学校近くでレストランに入り、夕食を済ませてから帰宅した。

「怖かった」という次男とは共有できた感覚が、長男には全然わからない。
車の中では呑気にゲームをやっているし。

私はいらつき、「何があったかわかってんの!?」と何度叫んだことか。

「あ、明日選抜の練習があるから、○○高校に行くから朝早いよ」って。
電車が動くと思ってんのかーーーーー!!!

初め、長男の脳天気さがさせたことだと思っていたが、それだけじゃないのだと気が付いたのは翌日になってから。彼は「いつもより地面が大きく揺れた」という情報しか持っていなかったのだ。

だから、テレビを見ても、完全に対岸の火事状態。
彼にとって最優先事項は、部活で練習がハードで、その上夕飯はお腹いっぱい食べたし、「俺眠い」だった。

私は、かなり混乱した。
同じ家の中にいながら、これだけの災害が起きているというのに、状況も感情も共有できない。
どういうことだろう。

夫は帰宅難民となり、会社の会議室で一夜を明かし、それでも翌日昼頃には帰宅できた。
「酒かっくらって寝るから大丈夫」なんて言ってたけど、たぶん他にはほとんど口にしていないのだと思う。会社の周りのコンビニは既に売り切れだったようで、それでも会社には50人ほどが泊まったと言っていた。買い出しをしたと言っても、たかが知れていただろう。

*

翌日、私は勤務日。
電話連絡を入れて確認したが、通常業務とのことなので、いつもの時間に出勤した。
仕事内容は、まあいつもの通りとはいかなかったけれど、いつもの時間に終了した。

だがしかし。
何よりびっくりしたのは、お客さんがいたことだ。
私は遅番だったので出勤したときには既に勤務先は開いていた。そして、お客さんがいて、いつものようにいつもの業務が行われていた。

そこにあったのは、日常、だ。

自分が味わった恐怖と、テレビが映し出す被害と、身の回りにある日常と。

自分の立ち位置がわからず、混乱していた。

*

テレビの報道は、ほとんどNHKを見ていた。
地震が起きた時、他局の報道を見ているとこちらがパニックになりそうだったので。
NHKが一番落ち着いていたと見えたし、慣れもあったろう。

画面には、高台に避難した方が映し出されており、その向こうでは津波が街を呑み込んでいた。
声もない画面の中、小さな女の子が「うわあっ」と母親らしき人にしがみついた。

その一声で、私の中で全てが繋がった。
何が起きているのか、自分の恐怖があったことも、実感できた。

「神戸の震災の時、30分離れるといつもと変わらない日常があってね。
それがとても傷付いたんだ。」
会社は被災し、自宅はそれほどでもなかったという友人の言葉がはじめてわかったようなきがした。


「何が出きるだろう」
そう考えられるようになったのは、それからだ。

職場の同僚のケータイには、善意の、けれどチェーンメールと変わらない「お知らせ」がきていた。
私には災害時に何ができるか、人に伝えられるだけの情報は手許に何もない。

実は、こうして個人的な事をblogに書いていることも、節電等の諸々を考えると良くないのかも知れない。

でも、原発の件、鳥インフルの件、これからもまだ事態は続く。
今はまだ、私にできることはほとんどないが、落ち着いて、きちんと生活しよう。

たぶん、これからいろんな事が起こってくる。
その時に踊らされないよう、自分の頭で考えられるように。
今は、節電を心懸けるくらいしかできないけれど。

被災地の方々の、一刻も早い救助と救援をお祈りしております。

【追記】

内田樹氏のblog「内田樹の研究室」より
 未曾有の災害のときに

よもやま  | コメント : 0  | トラックバック : 0 |

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