判断すること

2011/03/26 10:45

たぶん、私がテレビを見始めた頃から、天気予報はやっていたと思う。
記憶にあるのは、さすがに白黒じゃなかったような気がするけど。
40数年、私はほぼ毎日天気予報を見続けているわけだ。

「明日は雨だって」
「明後日は晴れるんだね」
その間、実家で交わされた会話といえば、そんな感じだったと思う。
「降水確率30%か。いいや、傘いらない。行ってきます」

結婚したのは20代真ん中。
「この処の天気図、春みたいだね。高気圧と低気圧が交互にきててさ(笑)」
「うわ、こんなに等圧線が詰んでるから、今日はすごい風強いね」
「げっ、何これ。こんな天気図初めて見た! 低気圧がいくつあるの!」

話し相手が父や妹→夫に変わったことで、同じ天気予報を見ているはずなのにその会話が変わった。

それまでの私は、天気図を見ても、現実の天気に繋げて考えるということをしていなかった。
確かに、等圧線と等圧線の感覚が狭いと言うことは、気圧の変化が急だということで、風が強く吹く、というのは高校までの理科の授業で学習していたから、知識としては知っていた。
季節により、天気図に特徴があるというこも、当然勉強した。

けれど、画面の中にそれが情報として出されていても、私はそれを何ら判断の材料にしていなかった。
私が聞いていたのは、天気予報のお姉さんの言葉ばかりだった。

「明日の関東地方は晴れますが、明後日は小雨が降るでしょう」
「寒気団が降りてきているので、朝晩寒さが厳しいでしょう」

そして、私が見ていたのは、自県の上にマークしてある「晴れ」「曇り」「雨」の絵だ。

だから、結婚したときとてもびっくりした。
「等圧線の感覚が狭いから、風が強いね」と夫。
私の感覚で言えば、「今朝は山がよく見えるから、昼頃からきっと西風が強くなるね。帰りは寒いよ」だ。

より多くの情報を手にすることは、決して悪い事じゃないだろう。
だが、情報には有用性において差があるものだ。

天気図の見方を知っているだけじゃなくて、経験則による知恵も併せ持っていた方が、当然有用性は高くなる。
経験則で予測がついていることでも、理論がそれを裏付けてくれれば更に頼もしい。

けれど、そこに情報が提示されても、それを解析する知恵を持っていなければ、判断はできない。
知識を持っていても、自分の生活と繋げて考えられなければ持っていないのと同じではないか。

それは「想像する」ということにも繋がっている。

避難所の暮らしがどういうものなのか知っている人は、画面に映らないシーンを想像することができる。
決して放送されないものがあることを、知っている。
そして、次に何が起きるのか想像できる。
知らなければ、画面に映された映像が全てだものね。

私は、如何にして「判断」をするのか。

震災以来のニュースに接しながら、私はそれをすることができずにパニクった。
自分を見失っていたのは、恐怖からばかりじゃない。
「わからない」ことで不安に陥り、不安が焦りを招いた。

錯綜する情報のどれを信ずるべきなのか。
いや。
錯綜する情報をどう「判断」したらいいのか。
この2週間、この「判断」は本当にまちまちだったと思う。
そこに結果論でない、正解があったとは私には思えない。

知らないことが、不安を招くこともある。
知っているが故に、不安を抑えられないこともある。

結局は、「どうなるかわからない」という不安をどう処理するか、ということに尽きるのかも知れない。

被災した方々の生活の再建への見通し。
首都圏の不安定さ。
原発の事故の見通し。

皆が皆、適切な判断ができるとは限らない。
私のように、あっぷあっぷしてしまう人もいるだろう。

家庭の中で。職場に置いて。自治体の中で。国政に於いて。
得られる情報の中から的確な判断のできる人が、強く求められているのだと思う。

この2週間、暴動も掠奪も起こさなかった日本人は本当にスゴイと思う。
突貫工事で短期間のウチに高速を復旧させた人も技術も、本当にスゴイと思う。

私は、私にできる小さな判断を積み重ね、日常をおくる。
来週になれば、予定していた出雲行きの結論も出るだろうね。
この週末予定されていた「サクラ祭り」は中止になってしまったけれど、小さなサクラを胸に抱いて、息子も、彼のお友だちも、みな、新しい一歩を踏み出す。

デスクトップの絵を、非常事態の「真田長官」から替えました。
とっても神々しくて素敵だったんですけどね。

小笠原で活躍されている先輩にいただいたものです。

アホウドリの雛の写真に、タイトルは「巣立ち」とありました。

sudati_2008


↓拍手コメントのお礼です。


★たつらーのkさま

 ようこそいらっしゃいました。
 まさか「たつらー」の方がいらっしゃるとは。コメ、嬉しかったです。

 内田氏の文章はとても平易で(知らない単語はたくさんあるので辞書とオトモダチですが・笑)、私には「可能性」を示してくれる文章が多いです。一度、彼の講演を聴いてみたいと思っています。機会が訪れると良いのですが。
 でも良く理解できないこともいっぱいあるんですけど…(苦笑)

 またお立ち寄りくだされば幸いです。

よもやま  | コメント : 0  | トラックバック : 0 |

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