『JIN-仁-』第10話:最終章前編 感想

2011/06/20 11:11

『JIN-仁-』 第10話:最終章前編 「最終章前編~タイムスリップの結末…」 2011年06月19日放送

人の世の繋がりってこういうものだよねぇ、こうあって欲しいよねぇとまず思った。
大元に歴史という過去の事実があって、そこに、この『JIN』という物語が存在することで語られる繋がりがあって。そう上手くはいかないよ~と思うこともあるけれど、それでも、こういう繋がりのある世の中であって欲しいと思ってしまう。

仁先生は、いつまでもいつまでも、うじうじぐじぐじと悩む。
その手の中にある知識と技術への自信でもあり、可能性でもあり、限界でもある。
けれど、いざという時には真っ直ぐなままの心根が周りの人間を動かしていく。
実は、その手にある知識や技術よりも、そちらの方が稀有な持ち物だったりするのではないかとさえ思う。

何のために、ここに在るのか。
という問いは、別段タイムスリップしてなくても存在し得るものだけど、そこにこだわり続けるのは仁先生の性格なんじゃないかな。
「生まれ落ちてしまったのだし」と割り切れるならば、「タイムスリップしてしまったのだし」と割り切ることも可能じゃない?
でも仁先生は、そこに在る意味をいつまでも考え続けるわけで、きっと、それはタイムスリップしなくてもそうだったんだろうと思うわけです。

その仁先生が出した答え。
「俺はきっとこのためにここに来たんだ。この時の為に。
 坂本龍馬を蘇らせる為に」

果たして龍馬暗殺の結末は如何に!? というのが今回の物語のクライマックスですよね。
と前振りが長くてごめんなさい(^^;)。

近江屋での暗殺はかわしたものの、結局、龍馬は斬られます。
護衛として付いていた東によって。
やはり、彼のやり残したことというのは「兄の仇討ち」でしたね。

前回のラストで、東が龍馬を斬ったのはわかったんですけど、すごく唐突で「何で!?」と思っていました。
その理由に付いては、この最終章でいろいろな人が解説してくれています。

本人は遺書の中で、「誰かに殺されてしまう前に、自分が本懐を遂げた」と書いていたようですが、
西郷の言には、納得できるし、私は感動してしまいましたよ。

「暗殺者を前に、東はもう龍馬を守れないと思った。けれど、暗殺者が徳川だったとすれば、龍馬の提案した大政奉還が上手くいかないかもしれない。自分ならば、ただの仇討ちで済むから、誰からも文句は出ないであろうと、東は考えた」
龍馬が奔走するのを傍で見ていた東が、肉親の恨みを乗り越え、その志を守ろうとした。
西郷はそう言うわけです。

「自分が斬った後、俺に治して欲しいと思っていたんじゃないか(俺はそれが果たせなかった)」と述懐する仁先生に、咲も「そうではなくて、守ろうとしたのは坂本様の生き方のようなものでは」と答えています。

ずうっと暗い顔をしていた、正体不明の東が、前回、橋のたもとで龍馬に見せた笑顔がね、絶品だったんだわけですよ。佐藤隆太さん、すげーーーって思いましたもん。一発で印象に残る、すっげいい笑顔でした。
その橋のたもとで自刃したのには、泣けて泣けて。
あ。今思い出しても泣けるかも。

内野さんの龍馬も凄かった。
目を開けた時から、いつ死んじゃうんだろうとずっとハラハラして見てました。

野風ちゃんのラブレターも良かった。
「おなごはずるうございますなぁ」って。切なすぎ。
叶わぬ想いに自棄にならずにいられたのも、坂本様のお陰でござりんす、って。でもって、そこに「旦那様と出逢うまで」って限定されているところが、すごく素敵。つまり、彼女の今の幸せは何かの代償ではなく、本当の幸せってことでしょう? 仁先生への想いを抱えつつも、旦那様への想いも本物なわけで。それがすごく素敵だと思う。
それで目覚めちゃったのは、ベタだけど、良かったです(笑)。

「未来へ行けるとしたら何処へ行きたいですか?」と仁先生が問えば、あの重大場面で「よしわら」と答えた龍馬。内野さん、すごすぎ。めっちゃ格好良かった! 一瞬、龍馬はこのまま助かるのかと思っちゃった。

逆に、この時代はどう映った、と問う龍馬に、仁先生が答える。
「人生は一期一会で、ここの人たちは笑うのが上手だ」と。
無表情だった龍馬が、その言葉に涙を浮かべ、そっと仁を見つめる。
大袈裟な身振りも台詞もないのに、龍馬の気持ちが伝わってくるようで、内野さんすげーよーともう何も言えない。

でもね、この物語はそこで終わらなかった。
仁先生は、とにかく龍馬ラブなわけで、「親友で、悪友で、英雄(ヒーロー)」なわけなんだけど。
そりゃコレラ騒動の時も、ペニシリン事件の時も、龍馬は仁先生を無条件で信じてくれていて、それが彼の支えになっているんだけどね。
それでも、仁先生を支えているのは龍馬だけじゃないわけですよ。

佐分利先生も、咲ちゃんも、お登勢さんも、山田先生も、仁友堂の仲間も、勝海舟も、松本良順も、多紀も、恭太郎も。たくさんの人が仁先生を支えているわけで。
どうも、龍馬とは一蓮托生みたいな覚悟をしていたらしい仁先生だけど、他にも仲間はいるんだよ、とみんなが手を伸ばして支えてくれていることに、どうやらやっと気が付いた。

山田先生の拷問は、まじ痛そうだったよおおお。

その繋がりがイイよなぁ、とベタに感動してしまったポトスでありました。

それぞれの目的は違っていてもいいんだけどね。
違う価値観の中に群がるたくさんの人たちが、それでもどこかで繋がって同じ時代を生きているわけでしょう。

あげなコツは坂本さぁにしかできもさん。おいはおいのやり方しか知らん。という西郷も。
禁じ手なことは分かっているが、江戸が火の海になるのかならないのか教えて欲しい、と言う勝も。
スーパーヒーローでない、弱さを抱える人間として、とても魅力的だと思った。

「それは勝先生次第じゃないでしょうか」と言った仁先生は、エライ!
「俺、地理だったんだよな!」には笑ったけど。

「龍馬さんがいなくなった今、あの患者は確実に俺なんだろう。
 あんな腫瘍を放置すれば、確実に死に至る。
 だとしたら、生あるうちに持てる全てを伝えよう。
 それは明日に繋がるはずだから。
 命を救う技術は刻み付けられて行くはずだ。
 この人達の、目に、手に、心に。
 生き残る術を。
 命の螺旋が刻むように」
 (本編から引用)


と、これで最終回じゃなかったのね。
恭太郎から始まった仁先生の旅だから、もしかすると、恭太郎が終わりを告げてくれるのかも知れない。

来週は、最終回スペシャルで2時間ですね。^^

******

ところで、再放送が決まったそうです。(公式HPより)

「第1話」 6月20日(月)午後1時55分~4時5分
「第2話」 6月21日(火)午後1時55分~2時55分
「第3話」 6月21日(火)午後2時55分~3時50分
「第4話」 6月21日(火)午後3時55分~4時53分
「第5話」 6月22日(水)午後1時55分~2時55分
「第6話」 6月22日(水)午後2時55分~3時50分





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コメント

No title

はじめまして、上手く言えないけれど内野聖陽さんの一見豪快な中にある人の心を汲み取り受け止める優しさとか強さや弱さをもった龍馬がすごく魅力的で東さんが兄の敵である龍馬さんの志を守りたいと思った気持がすごく伝わってきました。あと、私は野風さんが好きなこともあって野風さんが龍馬さんにあてた今の自分の幸せがあるのは坂本様の心に支えられていたからという手紙に涙が出ました。龍馬さんは野風さんの芯の強さも嘘の鎧で固めなければ自分の心を守れない弱さも優しさも全部ひっくるめて愛していたんだろうなと思いました。龍馬さんの野風に対する愛情は凪いだ海のように穏やかで深く暖かいものだったんだと、また、野風さんにとっても花魁である自分のことを一人の人として見て愛してくれた龍馬さんは唯一無二の人だったんだと、龍馬さんの心に支えられ龍馬さんが好きと言ってくれた自分でいたいと思えたからこそどんなに辛くてももう少し頑張ろうと思うことができ幸せになれたんだなと。また、野風さんは恋心は仁先生に抱いていたし、ルロンさんへの愛情も本物だし今の幸せを大切にしたいという気持ちもあるけれど龍馬さんへの気持ちもやっぱり愛情だったと思うし今も野風さんの心に深く残っているんだなと思いました。
最終回を見たときにルロンさんにはすごく申し訳ないんですけど野風さんが亡くなった時に龍馬さんが迎えに行ってあげてほしいなと、また、野風さんにも今度こそその手を取ってほしいと思いました。
長々と書いてしまいすみません。

| 2011/07/25 |  15:15 | さおり #.qZpVpTo |  URL | 編集 |

愛ですよね★

★さおりさま

 はじめまして! ようこそいらっしゃいました。(^^)
 丁寧なコメントをいただき、ありがとうございます。
 そうなんだよね~と頷くことばかりです。
 
> 内野聖陽さんの一見豪快な中にある人の心を汲み取り受け止める優しさとか強さや弱さをもった龍馬

 内野さんは既に多くの方が演じられている「龍馬」という人物を、とても鮮やかに描いてくださったと思います。知人が言っていたんですが、「龍馬ってこういう人だったのかも」と思わせてくれると。ワタシもそう思います♪ 一面的ではない、けれど期待を裏切ることのない見事な龍馬でしたよね。

> 東さんが兄の敵である龍馬さんの志を守りたいと思った気持がすごく伝わってきました。

 そうそう! 佐藤隆太さんは二部からの登場だとは思えないくらい、溶け込んでましたし。
 橋のたもとで龍馬に見せた笑顔は、とても印象に残っています。

野風ちゃんについては、同じように感じられた方がいらしたんだなぁと嬉しくなってしまいました。
人と人の関わりとか繋がりには、恋とか友情とか名付けられないものが存在するのだと思います。
野風と龍馬の繋がりというのは、言葉にできないほどに切ないものだと感じるのです。
こういう感情が現実に存在するのかというと、とても難しいことだとは思いますが、けれど、胸の奥底にある暗い部分を肯定しつつも、その想いの上澄みをすくい取ったような物語にワタシはとても救われるような気がしてしまったのでした。
人の心は複雑で、やっぱり美しいものでありたいですよね。

> 最終回を見たときにルロンさんにはすごく申し訳ないんですけど野風さんが亡くなった時に龍馬さんが迎えに行ってあげてほしいなと、また、野風さんにも今度こそその手を取ってほしいと思いました。

 おお! それは考えませんでした! なるほど、そういう想像も素敵ですね♪

 自分の想いを、自分の思ったとおりに叶えることだけが幸せではないのだと、野風は教えてくれたようなきがします。

 コメント、ありがとうございました♪

| 2011/07/26 |  07:53 | ポトス #Kyq53.yY |  URL | 編集 |

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