『JIN-仁-』最終章後編感想

2011/06/30 19:12

『JIN-仁-』 最終章後編 「完結~時空の果て…150年の愛と命の物語が起こす奇跡のタイムスリップの結末」 2011年06月26日放送

意志が可能性を生み出し、それが人生となり。その奇蹟は全ての人が手にしているものであり。その軌跡が社会であり、歴史なのではないだろうか。

仁先生が幕末の世で起こした奇跡は、ある意味では、知識や技術を持っている人間ならば誰もが起こし得たものであり、ある意味では、仁先生にしか起こし得なかったものでもあるのだろう。

彼が歴史を変えたのかどうか、それは最後までわからなかったけれども、歴史の修正力なるモノに抗おうとした人間が確かに存在し、それは長い時を経て結実した。

それは歴史の修正力を超えた力だったのか、お目こぼしだったのかはわからないけれど。

感動的な良い話だったよねー(^^)。満足だわ~♪


最終章のメインの一つは、咲と仁先生の恋の結末。
タイムスリップと悲恋は相性が良いらしく、二人が共に生き結ばれることはなかったけれど、でもこれもまたハッピーエンドじゃないのかなぁと思う。

病人役の綾瀬さん、上手でしたねぇ。
なんか、長年連れ添った夫婦みたいでしたよねー。

龍馬暗殺に手を貸した恭太郎は、その悔恨から逃れられず、勝に進められた官費留学の途も蹴ってしまい、上野の彰義隊に奔る。戦が始まり、仁は野戦治療所を用意する。

「医学所まで一緒ってのは困るんだよっ」と抗議する勝海舟に、「官軍の方が来ても治療します」と仁先生は言い募るけれど。「そういう問題じゃねえんだっ」ってのはそのとーりだよね。

既に会津に行ってしまった松本良順から、医学所の指図を任されてますからね、仁先生。
「道を間違えちゃうかも」と困る仁先生に、「では、その間違った道をお指し図ください」とにっこりしてましたからね、良順さん。

「医師は医の途を歩くのみ。収まらぬものを収めるのが政の途であろう!」
一喝しながら、野戦治療所に入ってきたのは、多紀元琰。
「我らは鉄砲傷も縫えぬ。けれど役に立てることがないわけではなかろう。
 玄孝! 我らに指図をせよ!」

って、もうかっちょいいんですけど!
多紀元琰役をやっているのは相島一之さんなんですが、もう、私、「仁」の中でこの人が一番好き!
最後、ちょっとイイヒトになりすぎてるきらいがあるんですけど、それでもカッコイイんですよねー。
「指図をせよっ」っって、すっげー偉そうなんですけど!(笑)

本道という、西洋医学の化身のような仁先生とは真っ向反対の立場にいて、
仁先生の神業のような技術にも知識にも驚嘆していただろうに。
奥医師という本道最高峰の立場を背負っているからこその、その言動。
嫌らしさも邪さも持っていても、踏み外さない一線を抱えていてねぇ。
私が医者なら、仁先生より多紀に付いていっちゃうんだけどなー(笑)

「ったくよう。好きなようにやりやがれ! バカ医者!」ってニッカとした勝海舟もいいよねぇ。


人手が足りない時に、足手まといにはなりたくないという咲ちゃんは、結果として、命に関わる怪我を抱えてしまうわけなんですが。
「本道と、蘭方の医師が手を取り合って治療にあたるなど、夢のようでございます」と。

最後まで、手を取り合えなかった官軍と彰義隊。
治療という一点で、手を取り合った本道と蘭方。

そうやって彰義隊を切り捨ててしまうかと思えば、
「かけがえのないものが無くなってしまうなら、一緒になくなってしまうのは幸せなのかもしれない」
と、咲を失いそうな仁先生が述懐します。

ひとつの行為に、ひとつの意味しかないわけではなく。
違う側面から見れば、また違った意味も見いだせるわけで。
このドラマは、いろいろな価値観を示してくれていたと思います。

恭太郎が上野に行ってしまった時の栄さんの言葉もそうでしたよね。
「恥を晒そうが生きることこそ。これからはそのような世が来るのでしょうか。
 わたくし共が信じてきた途は間違いだったのでしょうか」

いや、間違いじゃなかったと思いますよ。
そういう貴女方が徳川250年を支えてきたんですから。
ただ、これからの世は変わっていくんです。それだけです。間違ってなんかいませんって。

麻生さんもすごかったですよねー。鬼気迫ってましたから。
あの人ひとりで、徳川幕臣の意地と誇りを背負ってましたもんね。
栄さんがいなかったら、この物語での徳川家臣のイメージは全然違っていたと思いますよ。

抱き合うだけが精一杯の二人で。
このまま咲ちゃんが回復したら、きっと良い夫婦になっていたんだろうなぁと思えたけど。

現代へ戻った仁先生は、手術を受け、ホスミシンを持って咲の待つ時代へ帰ろうとします。
が、タイムスリップしたのはやっぱり2009年にいた仁先生の方でした。

――ここで、タイムスリップの輪は完結したんでしょうか?

再び目覚めた仁先生は、自分の知っていたものとは違う事実にに気が付きます。

自分で自分を手術した事実もなく。
胎児様腫瘍は普通の良性腫瘍であり。
着物ではなく、普通の服装で倒れていた。

歴史を変えることはできたのか?
歴史の修正力に変えられてしまったのか?

それからは、野口先生が「医者がタイムスリップした小説を書く」という仁先生の為に裏付けを考えてくれるわけです(笑)

私考えてませんでした、パラレルワールドとは。
なるほどねーーー。
パラレルワールドへタイムスリップしたんですねー、仁先生。

仁先生は、自分の足跡を探して図書館に行きます。
そうです。そういう時は図書館ですよねー♪ って、あれどこの図書館だったのかなー?

資料にあったのは、医療結社としての「仁友堂」でした。
懐かしい皆が活躍しています。
でも、咲さんと仁先生の名だけはありません。

仁先生は咲を探しに、東京を奔りました。
そして、橘家のあった場所に、橘医院を見つけるのです。

もちろん、ここまでくれば登場するのは、みきに決まってます。
かなーり怪しげな言動の仁先生を、みきはとても好意的に応対します。
そして、咲が「なんでもよく知っている産婆さん」として生涯を終えたことを伝えるわけです。

「あの。揚げ出し豆腐はお好きですか?」
首肯する仁先生に、「貴方をずっと待っていた」と。
そして、咲からの手紙を渡す。

仁先生がいなくなった後、歴史の修正力は、どうやら仁先生のいた痕跡を消したようです。
仁の存在を、誰も覚えていない。
咲でさえも、忘れてしまいそうになる。

あの十円玉は、歴史の修正力の慈悲だったのかもしれません。
思い出したのなら、覚えていてもいいよ。

咲が生涯をひとりで過ごしたのは、仁先生への想いの強さだけでなくて、
誰かに、何者かに、自分の記憶、言い換えれば自分の人生までをも左右されてしまうことを拒んだからなのかもしれない。

「橘咲は、先生をお慕いしておりました」

そう結ばれるあの手紙は素敵でした。
でもあれが仁先生の手に届いたのは、咲だけでなく、野風の想いも関わっているからです。

「あちきは幸せな女でありんす。どうぞ、お二人にも幸せを」
そう祈る野風がとても好き。

生涯を、ただ仁先生を想うことでひとり過ごした咲も。
仁の為なら我が命さえも、その身さえも惜しまずに差し出しつつ、けれど新しい愛を得た野風も。

どちらもすげーなぁ、と泣きたいような気持ちにさせてくれる女性たちでした。

友永未来の手術に失敗してしまった仁先生は、新しい世界で橘みきの手術に挑戦する。
そうして、また、新しい物語が始まっていく。

意志。
それが生み出す可能性。

このドラマから、私はそれを受け取ったのでした。


 この想いをいつまでも忘れまいと思った。
 けれど、俺の記憶もまた。
 全ての時の狭間に消えていくのかも知れない。
 歴史の修正力によって。

 わしらはおるぜよ。
 見えんでも、聞こえんでも。
 いつの日も先生と共に。

 それでも俺は忘れることはないだろう。
 この日の美しさを。
 当たり前のこの世界は、誰もが戦い、苦しみ、命を落とし、
 勝ち取ってきた無数の奇蹟で編み上げられていることを。
 俺は、忘れないだろう。

 そして、更なる光を与えよう。
 今度は俺が未来のために。
 この手で。
  (ドラマより抜粋)


3か月という短い時間でしたが、とても楽しませてもらいました。
終わっちゃったのが残念です。

そうそう。
佐久間象山がタイムスリップしたのも、パラレルワールドだったのかなぁ?





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