加害者であり。被害者であり。

2012/02/08 20:03

「ストロベリーナイト」#05過ぎた正義 感想 2011.02.07TUE放送


加害者と被害者が交錯し、正義と復讐が錯綜する。人は自分の信念/世界観の中で完結し、壊された世界に絶望し罪を犯す。断罪され、新たな被害者と加害者が生み出される。

そう読み解いたら意地が悪いだろうか。
えぐいっ。えぐすぎるよ~~~。

「どんな間違いを犯しても、人は必ずやり直すことができる。そう信じている」
姫川(=竹内結子)が最後に吐き出す言葉が希望であり、それを信じたいという強い想いが物語の骨子なんだろうけど。えぐすぎ。

この物語の中、全ての主要登場人物が被害者であり、加害者であった。
小説の中やドラマの中では被害者と加害者は明確に別れていることが多い。情状酌量の余地がたとえあったとしても、それでも被害者は被害者であり、加害者は加害者である。
復讐が負の連鎖を産む行為だという自体は既に語り尽くされていながら、こうして飽きることなく物語の俎上に載せられるのは、断ち切きる事の困難さを示しているからなのだろう。

姫川という主人公の立場上、この物語を親の視点で紐解くことは現段階ではありえない。姫川と倉田の想いが重なることはない。更に、姫川自身の存在への不安が、親とのすれ違いを強調してしまっている。

どんな人間でも間違いをおかす。

これが今回の話の大前提である。従って様々なものたちが間違いをおかす。

一連の殺人(と思われる)事件の容疑者倉田修二は、父親としての情を有り余るほど持ちながらも、「命を奪った罪は命でしか贖えない」という自身の強烈な信念を譲ることができないが為に、息子の事件の真相を突き止めることができない。

倉田の息子の恋人は暴行されたことに絶望し、死にたいと願う。
おのが身を清めたいと願う彼女は、恋人の手によって死ぬことを願う。
倉田の息子は、恋人を殺害する。真相は語られないままに息子は服役する。
倉田は妻を責めた。
そして娘を奪われた父親は復讐のためにその母親(=倉田の妻)を殺害する。
父親の信念は息子を縛り、釈放後、自殺しようとする息子を止めなかった。

倉田息子の恋人をストーカー行為の末、暴行したのは、彼女の父親が勤める会社の社長の息子だった。
交際を断れば、父親を首にすると脅されていた。
それを知らない父親は、娘の復讐を結構する。
残された母親は、数年の時を置いて、事件の真相に(おそらく)辿り着いた。
殺された娘の真実と無期懲役の夫、娘を殺めた恋人の死と復讐の刃に倒れた母親の死。それらを全て背負い、彼女は、この先、どうやって生きていくのだろうか。悲劇以外の何ものでもない。

警察は一体どんな捜査をしていたんだと言いたいが、ああそうか。全回姫川が所轄へ事件を調べに行った時に「殺人事件にしては調書が少ない」と言っていたのはここに繋がるわけか。警察が明々白々な事件としてちゃんと調べなかったということなのだろう。つまり、個人だけじゃない。警察という組織もこうして間違いをおかしているわけだ。

職を失い、妻を失い、息子までを失う。
そうして尚「からからにひからびるまで生きろ」と姫川は倉田に詰め寄った。
それは「人は間違いをおかしても必ずやり直すことができる」という信念に従ってのことなのだろうけれど、それにても、後味の悪い物語だ。湊かなえ氏の「告白」と同じ後味の悪さ。
誰もが自分の世界/価値観に縛られたまま物語が進み、完結してしまう。

姫川でさえ、そうだ。
彼女の叫びが倉田に届かないのは、姫川が自分の世界からモノを言っているからではないか。
自説に固執しているという点では、倉田も姫川も変わりはしない。

ただ、姫川には彼女を信頼する仲間がいる。間違っていると忠告する仲間が存在する。姫川はその声に耳を傾けられるだろうか。

殺された少女は、言うことを聞かなければ父親を首にすると言われた時、何故、彼女は大人に相談しなかったのだろう。大人に相談しろと言う友人はいなかったのか。
実はワタシの職場にもちょっと勘違いしている若者ちゃんがいるのだけれど(苦笑)、大人の世界を甘く見てはいけないのだよ。

恋人に殺して欲しいと頼まれた時に、いやだと言う事はできなかったのか。

娘を殺されたと復讐を考えた時に、娘の持ち物を調べることはしなかったのか。辛かったであろうことは、親として十二分にわかる。でも、人をひとり殺める前に確かめなければならないことはなかったのか。妻に夫を止める術はなかったのか。

「あいつ(=倉田)がわからなくなった」と述懐する小泉(=高嶋)はその時に何故行動を起こさなかった。

誰かがどこかで、ひとつでも違う行動を起こしていればこんな悲劇は起こらなかった。「告白」を読んだときにも感じたあの不愉快さを、久々に思い出してしまった。

人は誰でも間違いをおかす。けれど、必ずやり直すことができる。そう信じている。

この姫川の言葉が「希望」となるような今後を期待したいと思う。


ところで、全回の感想で「図書館の検索履歴云々」について書きましたが、訂正&追加があります。

菊田が姫川に提出した資料には、「中野区立新井図書館貸出リスト」と明記してありました。

つまり、吾妻が使っていたのは区立図書館であり、菊田は「検索した図書の履歴一覧」と言って資料を提出していますが、実際に紙に書いてあったのは「貸出リスト」でした。貸出リストなら、個人を特定することができるでしょう。
資料検索履歴と貸出履歴は全く別のモノですから、菊田の報告は間違っていますね。
ワタシの使っている公共図書館では、貸出履歴も返却が済んだ時点で表からは観ることができなくなります。ですがデータとしてどこかに残っている可能性は否定できませんから、貸出リストを作成することはもしかすると可能かもしれません。

ワタシは個人情報の保護という観点から、令状無しの捜査にリストの提出があったことを疑問に思いましたが、警察の捜査に対して協力することが悪いわけではありません。実際には各図書館でガイドラインを持っているでしょうから、それに準じて対応されると思います。
ただ、あの描き方はあまりにも安易といいますか、適切だとは思えませんでした。

ま「そんな事にこだわってちゃ、ドラマにならないんだよ」って同僚にも言われましたけどね(苦笑)。

テーマ : ドラマ感想 - ジャンル : テレビ・ラジオ

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