2012年3月11日

2012/03/11 23:28

2012年3月11日14時46分。
ワタシは都内にあるコンサートホールで黙祷を捧げた。

あの日から1年が過ぎた。
早い。

震災が近くなったら、各メディアで特番が組まれるだろう事は当然の成り行きではあるけれど、
本音を言えば、ワタシはあの映像を見たくなかった。

阪神大震災では感じなかったあの恐怖を、ワタシは思い出したくなかった。
今思えば、ワタシはとても怖かった。でも、自覚できずに、ただ狼狽えていた。怯えちゃいけないと思いながら。

実は、あの日あの時の数時間前にワタシはとても呑気な記事を書いていた。
書いた時には結構考えた末の結論だったりして、うじゃうじゃとした悩みにケリを付けるために書いた記事だったんだけど、ね。
平凡だの、中庸だの、平均的だの。実際にそうなのだから、今でもそれを否定することはないと思うけれど、でも、平凡も中庸も平均的も、言葉の意味も重さも、あの日を境に変わってしまった。

この数年必死に過ごしてきたあれやこれやが、まとめて覆い被さってきたかのようでしばらくしんどかったんだよね。
ようやく、最近になって重石が少しずつとれてきたように感じていて。

だから、また思い出したくなかった。
今だって抱えているモノがあるから。やっと手放せそうなあれやこれやを思い出したくなくて。

なのに。エンケンさんがナレーションを担当されるっていうんだもん。
 金曜プレステージ
 「自衛隊だけが撮った0311~そこにある命を救いたい」

見たくないな。
でも、これも巡り合わせかもしれないな、なんて。

震災後のある日、安全なはずのこの関東地方で、ワタシは思った。
動揺しない、日々をしっかり過ごすという事は、何もなかったことにすることではないんだな、と。

意味、伝わりますかね。
徒に動揺し、買いだめをする。行き過ぎた節電というのも、もしかすると心理的には同じ事だったのかもしれない。
そんな風に振り回されないように、一日を過ごそうと思った。震災以前と同じように。だって、ここは被災地じゃないもの。そう思っていた。

でも、ある日唐突に思ったんですよね。
ああ、もう時間は戻らないんだ。たとえ、被災地じゃなくても、何もなかった頃には戻らない。波を被った土地があり、失われた命があり、人の手に余るエネルギーが存在する。
全てと共存していかなければならないんだ、とある日突然そう思えた。実感できた、と言い換えてもいいかも。

そんな風に思っても、日々、色々な事が起きるわけでして。あんまり、この1年振り返りたくないし、思い出したくないな、とそんな風に思ってたわけです。
それは東北の被害を忘れているという事と同義ではないと思っていたけど、でも、結果としては同じなのかもしれないですね。

失われたモノの大きさへの恐怖。何もできなかった自分への無力感。安穏と生きている後ろめたさ。
そんなモノらともう一度対峙したくなくて、特番、見たくないなぁと。
逃げてしまえと思っていたんですが。

遠藤憲一さんがナレーションするっていうんだもん。

番組が始まった頃、夫が帰宅しました。
震災関連の番組だというのは、すぐにわかります。ジッと番組をみて、一言。
「あ、ナレーション、遠藤憲一だ」
「当たりです」とワタシ。

番組を見ながら、あまり、あれこれと喋りませんでした。でも、2時間ふたりで見てました。
番組が終わってから、夫がまた一言言いました。
「エンケンさん、ナレーションしながら泣いていたかもね」
「…」

交わした言葉は、なんか、エンケンさんの事ばっかりなんですけど(笑)、
互いに言葉にしなかった想いがあるのは分かり合えたような気がしました。

オーケストラ・ダスビダーニャ 第19回定期演奏会 でした。
 ※定演の回数が間違っていたので訂正しました。すみません。

最初に聞いた時からファンになってしまって、その後毎年聞き続けています。
今年は、開演前に、トロンボーンチーム?の演奏がありました。
震災の日本に向けて作られ、世界中の音楽家たちが演奏した曲なんだそうです。
聞いていて、涙が出そうになりました。

すみだトリフォニーホールの3階席は初めてだったかもしれません。
オケ全体を見下ろすことができて、いい感じです。

演奏が始まると、何だか、オーケストラから物語が立ち上ってくるような気がしました。
言葉はどこにもありませんけれど、人が動き、風景が変わっていくのが見えるようでした。

妹と一緒に聞いたのですが、「ねーちゃん、ヤマトみたいな所が好きなんでしょ」とゆってました(笑)

初めて聞いたときは、舞台の上の、或いは楽団そのものに感じるその熱気に混ざりたいと強く思ったのですが、今年は、いろいろな事を思い出させ、勇気をくれるような演奏だったんじゃないかと思います。

アマチュアの楽団が長く続けることは本当に大変だろうと思いますが、来年もまた、その熱気に満ちた演奏を聴くことができたら幸せだな、と思います。

よもやま  | コメント : 0  | トラックバック : 0 |

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