『ヤマト1』における疚しさと立ち位置*3

2012/09/20 17:24

今日も暑いね、関東地方。
夫はふうふう言いながらも「明日から涼しくなる」と念仏のように唱え続けて出かけましたがホントかな?
(笑)

『ヤマト1』に置ける疚しさと立ち位置の考察その3。
疚しさをキーワードにしてごちゃごちゃ言ってみるけど、それが正しい読み方ですと言いたいわけではないです。
物語の読みとり方は各自それぞれなわけでして、
だからこそ、こんな読み方もあるかもしれませんけど、という話です。

特に『2199』については、ワタシ劇場でそれぞれ2回ずつしか見ていませんし、
設定とか公式サイトとかの情報についてはほとんど読んでないので、
もし勘違いとかしてたら教えていただけると幸いです。

^^;
ちょっと弱気になっているので言い訳してみただけです。
でも、語ります(笑)
というわけで、どちら様もどうぞよろしく。(_ _)

 『ヤマト1』における疚しさと立ち位置 
  *1(はじめに)
  *2(沖田艦長)
  *3(古代進)←

  *4(真田志郎)《予定》
  *5(森ユキと島大介)《予定》




孤高の戦士・沖田艦長さえも虜(とりこ)にしてしまった古代進。
(笑)
彼の立ち位置について考えてみよう。


『ヤマト1』において、地球発進当時18歳。
兄・古代守によると、古代進少年は「争いの嫌いな平和主義者」であった。(←台詞適当)
ガミラスが地球へ遊星爆弾を落とすようになり、地下都市へ避難する時期に、
「中学を卒業したら宇宙戦士に志願しないか」と兄に誘われているが、断っている。

その彼が少年宇宙戦士訓練学校に入ったのは、遊星爆弾によって両親が死亡したためらしい。
自身の回想によれば、2193年、古代12歳の事のようだ。

侵略を受け甚大な被害が地球上全体に出ている時期であるとはいえ、この年齢でいきなり両親を喪ったのはさぞ辛かったろう。
彼が受けた衝撃の大きさは計り知れないが、どうやって立ち上がったのか物語上には描かれていない。

つい1年前まで、帰省した兄を囲む宴会で「どうせ兄さんだけいればいいんだ」と拗ねていたほどに幼かった古代。
その古代が敵と戦うという選択肢を選んだ。

ワタシはそこに「被害者」のマインドを感じる。

それを悪いと言っているのではない。
幼かった古代が立ち上がり生きていくためには、それが必要だったのではないだろうか。

古代は復讐のために戦っていたのだと思う。
直接的には両親の為に。
間接的には侵攻を受けた地球の為に。

直情型と言われる性格がいつ形成されたのかははっきりしないが、彼は殴られたから殴り返した。
それだけだったのだと思う。

そうして「被害者」というマインドを軸に、古代の戦意は形成されていく。
幼く本来戦うことの嫌いな古代進にはこれがどうしても必要だった。
それ無しで宇宙戦士として戦うことは不可能だったのではないだろうか。

その「被害者」という立ち位置は、宇宙戦士として訓練される中でも失われることはなかった。

だから、兄・守が冥王星会戦で行方不明(当時は=戦死)になった時にも、沖田を責めた。
何故、兄を守ってくれなかったのか、と。

本来、選抜メンバーに選ばれる程に優秀な宇宙戦士として訓練を受けていた古代に、
冥王星決戦の責任が沖田の采配如何でどうにかなったものではない、という事は当然理解できたはずだ。

だが、古代進はそれを理解しようとしなかった。
それは自身を「被害者」と認定していたからではないだろうか。

イスカンダルへの往路で、古代が成長していく中でもそれは幾度か姿を表す。
ガミラス人の捕虜を殺そうとした時などは、顕著であろう。

ヤマトは、古代は、生き残ることにただ必死だっただけだ、とも言える。
圧倒的な科学力・軍事力を有するガミラスへの反撃は、だが、被害者という立ち位置によって正当化されているに過ぎない。
それ自体は善悪の判断を越えたものであると思うし、シャルバート的な考えが正解だというわけではない。

殴られたから、殴り返した。
そうやって戦ってきた彼が、初めて自身を振り返ったのがガミラス本星での戦いの後である。

「僕たちは戦ってはいけなかった。僕たちがしなければならないのは愛し合うことだった」というあの台詞。
あの時、古代進の中で、彼自身の立ち位置が「被害者」から「加害者」へと転換した。

それまで生きるために、押さえ込まれていた古代本来の性質が表出すれば、彼の感じた「疚しさ」は相当なものであっただろう。
彼の性格を考えれば、地球が生き残る為にしかたがなかった結果という大義名分ではカバーできなかったのではないだろうか。そこまでやるつもりじゃなかった。だが、もう取り返すことはできない。
戦いの残酷な一面と、古代は正面から対峙することになった。
その疚しさは、心の叫びは、ひとりで背負いきれるものではなかったろう。

だが。いや、だからこそ、古代はひとりではなかった。
それをドンピシャのタイミングで分かち合った人間がいる。
森ユキだ。

ひとりでは堪えられない痛みでも、ふたりでなら乗り越えられる(かもしれない)。
「神様の姿が見えない」と言って涙を流すユキがいなかったら、古代にはあの瞬間を堪えられなかったかもしれない。

ワタシはあのふたりの一番根本的な繋がりは、このガミラス上空での疚しさの分かち合いではないのかと思うのだが、いかがだろう。

勿論、彼らの恋心を否定するつもりはない。
古代のニブちんぶりも、ユキの思わせぶりな態度も物語の中で大切なエッセンスとなっている。
だが、様々な試練?に遭いながらも、あのふたりが最後まで別れなかった繋がりの大元はは、この時にできあがったものではないかと思う。

恋愛感情だけでない、古代とユキの繋がりはここにできあがった。
古代が被害者から加害者へと立ち位置を移した瞬間、隣りにいたのは島でもなく、加藤でもなく、沖田でもなかった。
森ユキだけが占めることのできる立ち位置は、このときにできあがったものだ。

ただ、古代は結局の所その後も「疚しさ」を払拭することはできなかった。
その後に続く戦いを拒否できずに、挙げ句の果てに軍から離れざるを得ないほどに衰弱してしまったのは、この時の「疚しさ」をずっと抱えて続けていたためではないかと思われる。
そうしてユキを失って初めて、古代はそれをひとりで背負うことの覚悟ができたのではないだろうか。
というのが、復活篇での古代の変化に繋がるのではないかと思うのですが、いかが。

『2199』の古代進にどんな背景があるのかは、まだわからない。
だが、彼の中に強烈な「被害者」としての立ち位置は感じられない。
『2199』の古代は、未だナゾのままである。
(笑)

『2199』第3章が楽しみだ。^^


 『ヤマト1』における疚しさと立ち位置 
  *1(はじめに) *2(沖田艦長) *3(古代進)
 *4(真田志郎)《予定》 *5(森ユキと島大介)《予定》

テーマ : アニメ - ジャンル : アニメ・コミック

ヤマトのこと  | コメント : 2  | トラックバック : 0 |

コメント

古代進と森雪の関係

>あのふたりの一番根本的な繋がりは、
>このガミラス上空での疚しさの分かち合いではないのかと
>思うのだが、いかがだろう
>
ポちゃんてのは上手くまとめるな~~。
私もそう思っています(って私の二次小説とか読めば明らかですな)。

ユキと古代は、男女であるが故に恋愛に陥ったけども
まずは同じ魂を持った“同志”で、戦友でもあったわけっすね。
そういった意味では、古代にとって、島もユキも等距離だったし。
島とは分かち合えなかった、雪とは分かち合えた。

これは、育ちとかそういうことではなくて、
ユキの方が、恋愛感情として、古代の心の深い部分までを
受け入れたい、拾いたい、一緒に感じたい、と思い続けてきた、
ということもあるんじゃないかと思うんだけど。

ユキと古代って、恋愛とか愛情だけでは割り切れない何かを共有している。
美雪にはそれは理解できなかったし、
また当然、理解する必要もなかった(子どもは愛される権利があるんで)。

私は、そう思っていますけども。

……個人的には、「2199」の古代くんは好きなんですよ~。
最初から“軍人、しかも士官設定”だった所為か、
自分の責任、というものをきちんと抱えていて寡黙に努力するオトコに見えるねぇ、、、でもお莫迦で、ゆきちゃんには「そこがたまらない」のでは。

| 2012/09/21 |  01:41 | 綾乃 #8Zcb/IVM |  URL | 編集 |

Re: 古代進と森雪の関係

☆綾乃様

 いらっしゃいませ~。毎日暑いですね~。

 『2199』ができあがってから、ワタシ的に幾つか腑に落ちた事がありました。
 わかっていたつもりだったことの、根拠が明確になったといいますか。
 或いは、あれはこういうことだったのか、みたいな感じです。
 比較対象ができて、直接的にわかったこともあるし、間接的に気付いたこともあります。
 いろいろな意味で面白いなぁと思っています。

 ユキだけが占める事のできた立ち位置に、ワタシはずっと疑問を抱いていました。
 ふたりに特別な絆があることは一目瞭然じゃないですか。
 でも、それがいつどういう形で生まれたのか、ワタシの中でやっと明確になったわけです。
 そうしたらね、「主人公カップルだから」ではない理由を、ようやく抵抗無く受け入れることができたのです。
 いや、長かったですね~。

 で、ふたりの関係にはユキの疚しさと母性が関係するんじゃないかと思っているんですが、さて如何に。
 どうぞお楽しみに(笑)

 美雪ちゃんについては、全く同感です。

 島と古代の関係は、もっとナゾです。なぜなら、あまり考えないようにしていたからです。
 だって、何か間違ったことを言ったら航海班の方に叱られそうな気がしていたんですもん。
 皆さん、すごく読みが深いから、畏れ多いような気がしていたんですよね。^^;
 でも、今回「疚しさ」をキーワードにしたら、立ち位置の違いがはっきりしたような気がしています。


 『2199』の古代の立ち位置と責任の取り方は、『ヤマト1』に比べ大変大人だと思います。
 そういう環境にいた、ということなんでしょうね。
 20歳ですしね。
 でも、まあもうちょっと見てみないとまだ何とも言えないかな~ワタシは。^^

 ますます楽しみですよね。

| 2012/09/21 |  18:58 | ポトス #Kyq53.yY |  URL | 編集 |

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