『八重の桜』第3回感想

2013/01/22 02:41

『八重の桜』 第3回 蹴散らして前へ NHK 2013.01.20放送

意外性がほとんどない真っ当なというか、直球ベタな展開でしたが、ワタシは満足です。^^
これほど丁寧に描かれている会津のあれこれが生きるかどうかは、戊申戦争後の展開にかかっているでしょう。
いや、楽しみですね。

今回描かれていたのは、人と人の繋がりでした。

冒頭、桜の樹で将来の夫・川崎尚之助と八重の出会いから始まりました。
川崎を演じているのは長谷川博己さんですが、江戸風のとても爽やかなけれど一本芯の通った青年を好演しています。情熱をガシガシと出すのではなく、控えめでいて、けれど揺るぎないものを持っている好青年。
覚馬とは、静と動の良いコンビでしょう。

覚馬が蘭学所を開設すると聞いて会津までやってきた尚之助ですが、なんと主家には暇をいただいてきた、とのこと。そう、浪人しちゃったわけです。
いくら三男坊とはいえ、「それでは戻るところがない」と覚馬は驚きますが、「帰る事など考えていなかった」とサラリと笑う尚之助。

おお、友情ですなぁ(笑)
とはいえ、尚之助の会津への仕官は簡単に許されませんが、彼は常に笑顔で飄々としています。「春風」みたいな人ですねぇ。
八重との交流も大変清々しい。
ああ、そうか。白い羽織がとてもお似合いで、洗練された雰囲気があるから余計そうなんでしょうね。
自身有能なだけでなく、人の才を見る目も持っている。的確な助言ができるということは、先を見る能力があるということですし。
逆境にあっても挫けず、いじけず、飄々と過ごす。
良い青年でございます。^^

その尚之助が惚れ込んだのが覚馬。西島くんがアツク演じてます。
この覚馬、今回は先走り過ぎてあっちこっちでもめ事を起こしてます。

西洋侍とバカにされ、あわや切り結ぶかと思いきや、槍術での試合に持ち込んだりとか。
「鬼神」と評されるほどの強さではありますが、力でやり込めても事が運ばないのは道理というもので。

常々、夫に言い負かされる立場から申し上げますと、ぐうの音もでないようなやり方で相手を負かしてもダメなんですよ、覚馬さん?
(笑)
力で相手をねじ伏せる――それは、権力だったり、実際の運動能力だったり、技術だったり、議論だったりするわけですが、それが功を奏することはあまりありません。
なぜなら、そこに相手に対する敬意がないからです。
自分を軽んじている人間の言動を尊重しようとすることは、かなり難しいと思われます。
自分が大事にされている、充分な敬意が払われていると感じればこそ、せめてそれらが劣っている事で軽んじられてはいないと思えるからこそ、そこにある技術や能力、論理に感服し、従おうと思えるんじゃないでしょうか。
まあ、たとえバカにされていても絶対的な能力の差を見せつけられ…ということがないわけじゃありませんけど、無駄な諍いが起きる確立は高いでしょうから。

自分の大切なモノを分かって欲しければ、まずは相手を尊重することから始めなければ。
たとえ時流に遅れているあれこれだとしても、先祖代々大切にしてきたものなんですから。

というのを、西郷頼母がちゃんと話してくれてますが、若き情熱の塊である覚馬には納得できなかったようで、
結果として、禁足を命じられてしまいます。

忠告してくれたのは頼母だけじゃありませんでしたね。
でも、覚馬には届かなかった。
何時の時代もそういうモノですが、これは体勢側である大人が旧習に倣ったというだけのことではなく、そうやって人と人の繋がりを大事にしなければ事は上手く運ばないということを教え諭そうとしていたのだと思いますがね。

佐久間象山の「何かを始めようとすれば、必ず何もしない者が邪魔をする。蹴散らして進め!」というのは名言ですし、それが必要な時もありますが、まぁそれだけが道というワケじゃありませんです(笑)。
でも、蟄居中の象山が「ここから世界がよく見える」という姿勢もさすがですよね。
いじけっ子覚馬とはエライ違いです(笑)

その覚馬を目覚めさせたのは八重の情熱、というはワタシの好みからちょいと外れますが(尚之助に言って欲しかったな)、王道な展開でした。

藩士たちも、覚馬も、八重も、「会津は頑固」と尚之助が評したのは上手いなと思いました。
そこにある会津魂の、誇りの、封建社会の濃密さが現れています。つまりは、それだけ人と人の繋がりが強いという事ですから。良くも悪くも、ですね。

若者の才を見抜き、世間の批判から保護しつつ、自由にさせることも大事ですが、
社会の成員として成熟させる事も必要なんだと思います。
幕末という緊急時にはそうも言ってられないかと思いますし、そういう事態が若者を成長に導くのでしょうが、
ある一定の社会を継続させようとした場合、若者に圧力をかけるのも大人の役目ではないかと。
理解を示すだけが「正解」ではないと思うのです。

結果として、自分たちが所属する社会が上手く運営されていけばそれで良しということなんでしょう。
若者をそういう大人に導くことが、先に生まれてきた者の役目なんでしょうね。

そうそう、「蘭学」に対する批判もちらりと出てきますが、これもまた当然というもので技術は技術それだけで存在するものではありません。必ず、その背景にある文化や制度、思想をも持ち込むものです。
だから、幕末にあって蘭学が嫌われるのは当然のことなんですが、覚馬は自覚してないみたいですね。

繋がりといえば、ちらりと出てきた容保公。
繋がりが強いのはお姉ちゃんの方に見えますが、良い姉弟でいてほしいものです。

でもねー。綾瀬はるかちゃん。いくらなんでも12歳には見えません。違和感ありありです。
もうひとり間に子役の子がいても良かったと思います。

最後にひとつお願いが。音楽小さくなりませんでしょーか。
時々、台詞が聞き取れないのはワタシの耳が悪いのかもしれませんが、もうちょい控えめにしていただけると嬉しいです。





『八重の桜』感想
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コメント

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今回、初めて大河ドラマを真面目に視聴しております(^^;)
facebookの会津仲間の間で、大いに盛り上がっています!
初回の「さすけねえ(大丈夫)」のテロップには、胸が熱くなりました。
一昨日、白ワニさんに会ったのですが、
「大河見てるんだけど、昔よく耳にしていた『さすけねえ』とか『なじょした』って言葉が出てきて、えらく感動しちゃったよ!」
とのことでした(^^)

ちなみに、綾野剛も容保と同じ美濃(岐阜)の出身なんですね。
それに彼は、ガッチャマンの実写版でコンドルのジョーにキャスティングされたっていうニュースが..。

| 2013/01/22 |  22:03 | デルー #- |  URL | 編集 |

コメントありがとうございます

★デルー様

 こんにちは~今年もよろしくお願いします。って今頃ですが。^^;

> 今回、初めて大河ドラマを真面目に視聴しております(^^;)

 わははは。最終回マニアでしたよね? 前作の最終回はいかがでしたでしょーか?
 今回、会津魂がカッコイイですね!

> 初回の「さすけねえ(大丈夫)」のテロップには、胸が熱くなりました。
> 一昨日、白ワニさんに会ったのですが、
> 「大河見てるんだけど、昔よく耳にしていた『さすけねえ』とか『なじょした』って言葉が出てきて、えらく感動しちゃったよ!」
> とのことでした(^^)

 ワタシ、実は会津に行ったことがないのです。
 とても美しい風景でしたね~♪ 行ってみたくなりました。
 白ワニさんですか! お元気でしょうか?

 第一回の放送後の感想で、会津弁が分かりにくいというのをどこかで読んだのですよ。
 え~? (正確には聞き取れなくても)わかるでしょ~? と思ったワタシでしたが、
 そうか、ワタシは聞いたことがあったんですねえw
 「さすけねえ」よりは「だいじ」を使いますが(笑)、「なじょした」は聞き覚えがありますから!

> ちなみに、綾野剛も容保と同じ美濃(岐阜)の出身なんですね。
> それに彼は、ガッチャマンの実写版でコンドルのジョーにキャスティングされたっていうニュースが..。

 わお! それは存じませんでした! お似合いかも~楽しみですね???

| 2013/01/23 |  21:56 | ポトス #Kyq53.yY |  URL | 編集 |

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