『八重の桜』第4回感想

2013/01/28 01:01

『八重の桜』第4回 妖霊星 NHK 2013年01月27日放送

面白かったですね。
会津という一面から見える幕末という時代の景色を丁寧に描いていて良い回だったと思います。

禁足を解かれた覚馬(西島秀俊)が嫁を貰い、時代は安政の大獄へと歩み出す、というのが今回。
ほうき星-妖霊星は、混乱の時代を予感させるアイテムとして使われていましたが、何だかちょっと絵に描いたようでしたね。^^;

ワタシは今回「対立構造」を軸に見ていました。
成熟と未熟、革新と保守、のふたつですね。

まず、成熟と未熟。
これは前回の感想にも書きましたが、この場合の「未熟」は「若さ」と言い換えられます。

現在の物語の牽引役となっている山本覚馬。
禁足となっていた覚馬は、藩主・松平容保の英断により「軍事取調役」「大砲頭取」というお役を頂戴するわけですが、彼が復帰できたのは、覚馬の主張が正しかったからだけではなく、時と場を選び訴えた人間がいたからです。

西郷頼母です。
頼母は藩主容保の前で、日米修好通商条約の締結を前に、時勢を語り、国難の可能性を示唆し、軍制改革の必要性を説き、覚馬を役に戻すよう訴えます。
勿論、覚馬の主張が正当であったからこその頼母の言ではありますが、彼は覚馬のようにむやみやたらと「軍制改革」を主張したわけではありません。
自分の行動を正しいと確信していれる人間は、自分の正しさばかりを主張しがちです。
相手の思惑など考えていないわけです。まあ、それが若さからくる無謀さというものであり、眩しく見える原因ではありますが、本当に自分の訴えを聞いて欲しいのならば、場を選び、人を選び、どうしたら受け入れてもらえるのかを熟考し、言葉を尽くして説得しなければなりません。
己れの非を言い立てられて、頭を垂れて相手に協力しようと思える人はほとんどいないからです。

頼母は時と場を人を選びました。
選んだ人-容保を説得するための話し方さえも選んでいるわけです。
容保は江戸にあって黒船を実際に見ているから、そして、幕府の職に預かっているからこその頼母はそう語ったわけです。容保が納得できるであろう側面から話をたてた。

覚馬は、自分の正当性を所構わず主張していたわけですから、その辺、多いに違います。
それに、容保への直訴的な方法は一見派手に見えますが、その後、とんとんと話が進んだところを見えれば、かならず「根回し」的な事もしていたはずです。そういうやり方は悪習として強調されがちですが、情理を尽くして説得するという姿勢は大人として見習うべきものです。

「古き良きモノを守るだけではたちゆかねえ。変えるべきは変えていかねえと」としめた頼母は見事です。
まあ、戊辰戦争に負けた後、新政府に意見書を出している処をみれば、覚馬もこの頃はまだまだ青かったってことなんでしょうね。

で。
結果的に覚馬を成熟させようと仕組まれたのが「嫁取り」ってのはいいですね(笑)。
「西を向いていろと言われれば、一年でも西を向いている」と評されるうらがお嫁に来ます。

父母によく仕え、鉄砲には触るな、後は幾久しくよろしく頼む。
って、覚馬の挨拶、格好良かったですねぇ。ワタシ、男性が「幾久しく…」というのを初めて見ました。
筆じゃなくて、鉛筆持っているみたいだったのはいただけませんが(笑)。

このうらさん、八重には謎の人物だったようで(笑)。
夫の後ろから三歩下がって付いていく的な生き方に全然共感できないわけですが、よく働く嫁も、そうは生きられない八重も、どちらも受け入れているお母さんがすごいなぁと思うんですよ。
いいですよね、こういう大らかさ。ワタシはとても憧れます。

さて、お次は保守と革新。
会津藩の中でも、山本家の中でも、幕府の中でも、国の中でも、保守と革新がガチガチとぶつかっているわけです。
幕末の時代の複雑さというのは、その保守と革新が拮抗し、絶えず入れ替わっている事だと思います。
時と場により、保守であった者が革新と言われたり、革新であったはずの思想が保守となり陳腐化する。

悪者はいない、とは言いません。
ですが、それぞれの持つ思惑を「正義」と「悪」に分類することはできず、それぞれの立場から見える景色はこんなにも違うのだということが描かれていて、ワタシはとても面白かったです。

ただ、ちょいと人物が入り乱れていて、誰が誰なのか覚える暇がなかったといいますか。
ちょっくら混乱しながら画面見てました。え-と、あなた誰? みたいな(笑)

そうそう余談ですが、夕方「ストロベリーナイト アフターザインビジブルレイン」を見たのですが、そこに菊田役で西島さんが、井岡役で生瀬さんが出演されてまして。
だから、生瀬さんの勝麟太郎が出てくると、島津斉昭とのカッコイイシーンにもかかわらず、井岡が被っちゃいましてね、思わず吹き出しちゃいましたw
ええ、生瀬さんてホントすごい役者さんだと思いますねぇ。

ええと、新旧対立でしたね。
井伊直弼の登場で、一気に幕府には不穏な気配が漂い始めました。
安政の大獄については、誰でも知っているかと思いますが、権勢を守るためだけではなくて井伊なりの想いがそこには存在したのだというのが現れていて、そこ良かったなぁと思います。
倒幕側が勝利したわけですから、そちらの論理が正当性を持っており、幕府側というのは烏合の衆的な愚かな存在として描かれることが多いのですが、容保と井伊とのやりとりによってそこには彼なりの信条があったのだと訴えてました。

そうそう、前回の西郷隆盛に続き、井伊大老のお茶の席での「ぴゅー」は凄かったですね(笑)
びっくりしましたもん。わははは。

負けた側から描くことで、初めて光があてられた情景を見ているように感じています。
そういう明暗が反転したような世界観が、幕末を新鮮に見せているように思います。
これからも、楽しみです。

あ。
所々、音楽に笑いました。




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コメント

テレビが観られない(;_;)

どうしても、「日曜日の夜にテレビの前に座る」ということができない私です(泣)。こんだけ見たいと思ってるのになぁ。
だいたい、どうしても観たいと思っても3週連続が限度。たぶん、「テレビを決まった時間に観る」という才能がないのであろうと思われます(泣)

もう少し経つと、日曜の夜、会社で残業しながら見られるようになりますが、それも情けない。。。

ここ読んで、楽しんでます。
ねーねー、松蔭(某O君)は出た?(^_^;) それまでにはテレビを見るぞ。
綾野剛もわりかた早くからチェックしてたヒトなんですよねぇ。今回、配役が意外で面白いですよね、実力派多いですし。

あうー、、んなこといっとらんと生を見ろと思うのですが、あっという間に「日曜のその時間」というのは過ぎてしまうのです。ほぼ家に居ないですし、、、ビデオも録れない。
長くなくていいので、ずっと続けてくださいね(長くてもいいですが)。

某あ。(<情けなすぎる)

| 2013/01/28 |  22:53 | 綾乃 #ew5YwdUc |  URL | 編集 |

Re: 来週は必見です!!

★綾乃様

 こんにちは~! なんて呑気に言ってる場合じゃありませんって!
 来週は「松陰の遺言」ですよ! 松陰、クライマックスと思われます!
 HPにインタ記事も載ってます。⇒http://www9.nhk.or.jp/yaenosakura/
 是非、ご覧あれ!

> たぶん、「テレビを決まった時間に観る」という才能がないのであろうと思われます(泣)

 あ、ワタシもそうかも(笑)
 大河とエンケンさん以外は、見逃して泣くこと多し。
 録画しても、見ないことが多いですしね(汗)

> ここ読んで、楽しんでます。

 ありがとうございます。^^
 妄想竹林付き感想記事ですが、楽しんでいただけるのは嬉しいです。

> ねーねー、松蔭(某O君)は出た?(^_^;) 

 初回から、ちょこちょこ出てますよ~。
 凧揚げしてみたり、牢屋に入ってみたり^^;

> 今回、配役が意外で面白いですよね、実力派多いですし。

 そですね、役者さんはよく知らないんですけど(汗)、落ち着いて見てられます。
 榎木孝明さんの井伊直弼も良かったですよ~。

> 長くなくていいので、ずっと続けてくださいね(長くてもいいですが)。

 ありがたいお言葉、感謝の極みでございます。
 でもきっと書くと長くなると思われ(爆)コンパクトを心懸けたいんですけどねぇ…

>
> 某あ。(<情けなすぎる)

| 2013/01/30 |  13:33 | ポトス #Kyq53.yY |  URL | 編集 |

No title

>筆じゃなくて、鉛筆持っているみたいだった~

筆じゃなくて竹ペン?だからあの持ち方なんだと思う

| 2013/02/02 |  13:30 |  #- |  URL | 編集 |

Re: 竹ペンの件ですが。

> >筆じゃなくて、鉛筆持っているみたいだった~
> 筆じゃなくて竹ペン?だからあの持ち方なんだと思う

見直しました! 確かに竹ペンのようなもので、筆じゃないですね!
気が付きませんでした。
時代劇だから、筆記用具は筆だとばかり思い込んでました。反省です。

手の動きから見ると、新しい鉄砲の図面でも描いていたのかもしれませんね。
考えてみれば、絵図面を筆のみで描くのは難しいでしょうし。
どんな筆記用具があったのか、機会があれば調べてみたくなりました。^^

どなたか存じませんが、教えてくださってありがとうございました♪

| 2013/02/03 |  00:00 | ポトス #Kyq53.yY |  URL | 編集 |

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