「八重の桜」第13回感想

2013/04/18 19:28

「八重の桜」第13回 鉄砲と花嫁 NHK 2013年03月31日放送

だんだんと京の政治情勢が回り始めており、会津藩には重苦しい空気が纏わり付いています。そんな雰囲気の中、八重と尚之介のドラマがホッとするような明るさを醸し出していました。

八重の明るさと言えば、オープニングで桜色の傘を持った八重がくるりと背を向けるシーンがありますが、あのシーンの彼女の明るさは綾瀬さんならではだと思うんです。闇の中走る八重の姿も彼女の生き様を表しているんでしょうけど、あの明るさもまた彼女の気質を表してるんじゃないかと思え、毎回楽しみに見ています。

さて、前回の蛤御門の戦い以来やたら目立つのは、やはり西郷隆盛でしょう。
吉川さんが演じてますが、やたら存在感ありますね。このところ羽織の「シュッ」という効果音は目立ちませんが(笑)、薩摩藩の変心ぶりを爽やかに気持ちよく見せています、よね?

つくづくこのドラマはこういう描き方が上手いなと感心しますが、幕末の薩摩藩が変心する様を、西郷ひとりに焦点を当てることで鮮やかに描き出しています。
西郷という人も、下級藩士の生まれでありながら、前藩主・島津斉彬から大変可愛がられ重用されたものだから、現藩主・久光からは疎んじられ、新政府がなった暁には西南戦争ですからねぇ。なかなか辛い人生を送っている人ですが、吉川さんの颯爽とした風情が大変素敵で、老獪な政治家とか芋侍なんてイメージとはほど遠く、理知的で情のある「漢」を体現しているようですね。

その西郷に転換点を与えたのが、勝海舟で、こちらも生瀬さんがいいですよねぇ。西郷に共和制を説き、幕府なんて熟れすぎた柿だと握りつぶしておきながら、「俺はしゃべり過ぎたか?」って、あなた。
勝が説き、西郷が感銘を受ける。
「何をすべきかはっきりわかった」と口にする直前、にやり、と笑う。←ここ! いやー良かったねー。
そして、その西郷の変化に、驚く勝の表情がこれまた、上手い。

事実か、創作か、ということではなく。
会津の物語の中にありながら、このワンシーンで薩摩の変心を描いて納得させる描き方。いや、すごいなぁと思うんですよ。
西郷の器の大きさとか、政治力とか、国(日本と薩摩両方ね)を思う気持ちとかがちゃんと分かるから、その後の変化がいやらしくないんですよね。逆に、幕臣側が手玉にとられたのがよく分かって。

ああ、こういう人が「政治家」なんだなーと思えるわけですよ。
こういう老獪と紙一重の怜悧な柔軟さ、先を見通す力、判断力、そういうものが欠けていたことが、会津藩の悲劇だったんだろうな、と。

で、これまた対照的なのが一橋公。もーこの人、ハマりすぎっ(笑)
容保にあーだこーだと愚痴ってるのを見ても、百才あって一誠なし、と言われた二心殿まんま演じられてて、もー笑っちゃいます。

容保公の真っ直ぐな悲壮さが痛々しく、家老・田中土佐の「わしらは一体何と戦っているのであろう?」という言葉が一層辛く響きます。

で、肝心の八重と尚之介ですが。
実はワタシ、ラブシーンは苦手です。てか、こういう告白のシーンは照れくさくてしょうがない。まだ、ベッドシーンのがましかも? ドラマだろうとアニメだろうと、もう画面を正視できないんですけど。いい年したオバサンがすみませんねぇ(苦笑)

ちゅーことで、秋月が「尚之介を会津に縛り付けておくのはどうか。情に囚われず、自分の生き方は自分で決めてほしい」と覚馬に頼まれたというシーンに、佐久間象山落命の報をかぶせた辺り、にくい演出だと思います。
互いに自分が「異端」である-というのは言い過ぎかもしれませんが、「普通」でない事は承知していて、相手の幸せを望む気持ちが強いだけに、自信が持てない。けれど、「鉄砲」を間にそれぞれが唯一無二の存在であることはわかっていて、そこに長谷川さんの飄々とした風情と綾瀬さんの持つ華が生かされていて、言葉を交わしては近づき、離れる、そしてまた歩み寄る、というやりとりがとても効果的で良かったなぁと思います。

見ていて照れまくりますけどね、いいシーンでした。

で、一気に嫁入りですが。
お久しぶりの西郷頼母。西田さんが上手いな、と思うのは、現役家老だったときの溌剌とした英気が感じられないところです。確かに会津を思い、心配もしている。佐川や秋月と言った藩士からも慕われ世話もしているらしい。けれど、ぼそりとつぶやく一言が「頑固で融通の利かない」年寄りのものに聞こえる。京の情勢をわかっていて、郷里の藩士を諭しているにしてはちょっとな…という雰囲気。
めまぐるしく変化する政情に対して、変わることのできない頑固さという気質を上手く表現しているように思えます。

ま、その頼母の案で、秋月家から嫁入りする八重。うふふ、綺麗でしたね。^^
綿帽子ってのは本来防寒具だったと思いますが、桜の季節は使うのかな? それともこの時代はもう花嫁衣装として定着していたのかな? と余計な事を考えてしまいました(笑)


そうそう、ひとついいなーと思ったシーンがありまして。
京で梶原の家を覚馬と大蔵が訪れたシーンで、梶原の妻・双葉が、挨拶の為に体の向きを変えた時に、覚馬も大蔵もそれぞれがそれに応えたでしょう。様式といえば様式なんでしょうけど、こういう所作っていうのは格式の高さというか居住まいの見事さを表しているようで、いいなぁと思いました。


…第15回を見たのに今頃これを書いてますが、追いつくのかなーとちょい不安になってます。^^;
それでは、また。

テーマ : 大河ドラマ 八重の桜 - ジャンル : テレビ・ラジオ

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