「八重の桜」第18話感想

2013/05/06 01:05

「八重の桜」第18話 尚之助との旅 NHK 2013.05.05放送

今まで会津の歴史というのを知らなかったので、この大河ドラマは新鮮な気持ちで見ていたんですが、やっぱり何にも知らないと伏線一つわからないので、ちょっと資料を読んでみました。といっても簡単なもので、著者さんの主観が大分入っているように感じましたので、史実的正確さはちょっと?ですが、大まかな流れはつかめたように思います。

川崎尚之助は八重の最初の夫ですが、彼に関しては資料がほとんどないみたいですね。
八重自身も、尚之助については言及してないみたいですし、この時期の二人の関係を内縁関係と見る方もあるようで。
なので、今回の尚之助との旅とかは、たぶん、大河的創作部分なんでしょう。(違ってたらすみません)

でも、会津の様子--地形や風土、当時の雰囲気等々を上手く語っていたと思います。


京では、長州と薩摩が手を組み、勤王から倒幕へとはっきりと意識が変化している時期で、薩長と幕府側との駆け引きが、幕末史ではひとつの山場となります。
倒幕側を引っ張るのは、薩摩の西郷、長州の桂で、今回は大久保一蔵だけでなく、薩摩の大山巌や土佐の後藤象二郎なんかも登場してました。反町さん扮する大山は会津戦で肩を負傷しますが、それは八重が撃ったもだとか、また、後に会津の山川家の末子・捨松(咲子)と再婚したりと会津に縁の深い人です。とはいえ、今現在は薩摩と倒幕の事しか考えてないみたいですが。

大山は、登場した時に、壊れた銃を安価で大量に仕入れたが、今は数が大事、壊れてるものは直して使えば良い、と西郷に言ってましたが、なるほど、上手いエピソードの使い方ですね。時勢を的確に捉えることのできる聡い頭脳と、大胆な人柄が面白いように表現されてましたけど、やっぱり吉川西郷の存在感が半端ないので、押され気味になってました。

で、同じ事を考えていたにも関わらず、タイミングの悪さに臍をかむことになるのは、会津の覚馬です。
彼の買い付けた銃千挺はどうなるんでしょう。きっと間に合わないんでしょうね…
で、ええじゃないかの騒ぎの中西郷の姿を見つけるものの、目が悪化し、動けなくなってしまう。
西島さんの覚馬、ちょっと面白いですよね。西島さんご自身がとてもお若く見えるので、八重との年齢差も違和感も感じることなく、蘭学や時勢を読む能力の鋭さ、柔軟さ、そして会津武士の気概を体現するような存在でありました。ただ、ここの処、迷いや弱さが育ってきてますから、ちょい口先だけのような、実の伴わないそんな印象がちらちらと見えてまして、来週は時栄さんの登場ですからね。強さと賢さと弱さとが同居しているような、面白い人間を演じているなぁと思います。

会津パートに戻りますと。
八重と尚之介の旅は、前回、「まさか一緒に来るとは…!」と呆れる尚之助の一言で終わってましたが、蓋を開けてみれば、八重の方が足腰丈夫なようで、尚之助は「待ってくださいよ、八重さん」と情けない事言ってました。(笑)

この夫婦が面白いのは、こういう処なんでしょうね。
時代の流れとして、八重は尚之助に対し家長として接してはいますが、八重はやはり型破りな人ですし、それを尚之助が上手に生かしている感じですね。演じているのがはるかちゃんなので、華奢なイメージがついて回りますが、八重の力自慢みたいな要素は結構取り入れられています。結婚式でも、酔いつぶれた新郎を担いでましたし(笑)。
尚之助は、八重の力を分かっていて、それを生かそうとしている。八重は型破りな女性ですが、それに勝るとも劣らないほどに、尚之助も尋常じゃありません。どう誹られようと自分の思うように行動する、という点で似たもの夫婦ですが、八重は自分自身を抑えない方向に行動するのに対し、尚之助は八重の行動を認め、如何にそれを高められるか、という方向に行動します。
尚之助のこういう行動は、保守的な風土の中では「悪妻」を持った夫というより、案外「情けない、頼りがいのない家長」と映るかもしれませんね。
時代劇の中においては現代チックな夫婦関係ですが、その辺、あまり突飛に感じないというか、現代の価値観持ち込まないで欲しいなぁ、と思わないあたりが、演出、脚本、役者さんそろって上手なんだろうなぁと思います。

二本松での鉄砲指南のシーンも、二人の呼吸が合っていて、なんてーか「良い夫婦だなぁ」と思ってしまいましたよ(笑)。

で、帰郷すれば尚之助の士官が許され、十八人扶持となり、やれめでたや。とはいえ、長男覚馬も次男三郎も留守にしている山本家を思い遣って、居候のままで過ごす、というとてもできたカタでございました。
でも、やっぱり長谷川さんは、黒い紋付きよりも、白い羽織がお似合いですねぇ。
ですが、財政難の折、尚之助の具申は受け入れられません。やはり、先立つものは必要なんですよね…。


もう何度も書きましたが、幕末史の面白さというのは、下級武士の活躍によって歴史が転換したという点だと思うんですよね。でも、この大河はそこの処にあまり重点がおかれておらず、当然会津中心主義なわけですが、こんな風に面白く、切迫感を持って描くことができるのだなぁと感心してます。
かと思えば、やっぱり岩倉具視の陰謀要素は外せないわけで、錦の御旗を「作るんだよ、これから」と不適に笑ったとこがありましたけど、錦の御旗が出たことで「朝敵」を作り上げちゃったわけですしねー。

密勅の方は、まあ慶喜に先を越されちゃうわけで、それだけの頭脳がトップにいたにもかかわらず、江戸時代はああいう形で終わりを告げ、会津の悲劇が訪れることになるわけです。結局の所、慶喜と容保では、最後まで守りたいものが違っていたんでしょうね。
まあ、それは維新後に西郷と大久保らが対立した事から見ても分かることで、何かを成すときに、保身等の思惑によって最終目的がどこに設定されるかをすりあわせるのは、難しいことなんでしょう。

そうそう、またオープニングの映像が変わりましたね。桜を使っていることは同じなんですが、これもまた綺麗でした。

テーマ : 大河ドラマ 八重の桜 - ジャンル : テレビ・ラジオ

『八重の桜』感想  | コメント : 2  | トラックバック : 0 |

コメント

ヤマトの桜

初めて、お邪魔させていただきます

八重の桜って、不親切な描き方ですよね
ドラマだけ見てるとわからないことがいっぱいあります
だから行間を読んだり、調べてみたりする
不親切な分だけ考えることが多くなる
小学生の頃、大河ドラマを観て歴史に興味をもったことを思い出します

ブログ主さんは宇宙線間ヤマトのファンとのことですが
私も中学生のころヤマトと出会いました
ワープなんて当時は聞いたこともなかったです
だから「なんじゃこらー」と思いながら考えた

最近のテレビって説明過剰で考えなくてもいいようにできている
だから八重の桜は最近では珍しい作風なんですよね
こんなドラマが視聴率とって欲しいですよね

| 2013/05/07 |  23:11 | 高木一優 #HU2cL6Jg |  URL | 編集 |

Re: ヤマトの桜

☆高木一優様

 初めまして。ようこそいらっしゃいました。
 コメント、ありがとうございます。^^

> 八重の桜って、不親切な描き方ですよね
> ドラマだけ見てるとわからないことがいっぱいあります
> だから行間を読んだり、調べてみたりする
> 不親切な分だけ考えることが多くなる

なるほど、ホントですね。
幕末を取り上げた大河は視聴率がよろしくなかったようで、それは多くの人物が政治的立場を複雑に変えていくからだと何かで読みました。その点、このドラマは幕末の大きな流れを見せるのが上手いな、と思っていたんですが、でも、そうなんです、描いてないことも多くて、分からないこともいっぱいあるんですよね。^^;

初心者向けに大きな流れを抑えているからこそ、ちょっと細部を知りたいと思うと自分で調べなきゃならなくて、まあそれが楽しみであったりもするんですが。^^

> 小学生の頃、大河ドラマを観て歴史に興味をもったことを思い出します

ワタシもです!(^o^) はじまりはそこからでした。

> ブログ主さんは宇宙線間ヤマトのファンとのことですが
> 私も中学生のころヤマトと出会いました
> ワープなんて当時は聞いたこともなかったです
> だから「なんじゃこらー」と思いながら考えた

そうなんですよねー!
ヤマトには、初めてのあれこれと、「ありえねー」的な割とでっかい穴が両方存在しましたから。
高木一優様は「2199」はご覧になっていらっしゃいますか?
好みはそれぞれだと思いますが、ワタシは懐かしく楽しく見ています。^^


> 最近のテレビって説明過剰で考えなくてもいいようにできている
> だから八重の桜は最近では珍しい作風なんですよね
> こんなドラマが視聴率とって欲しいですよね

「説明過剰」なのは最近の風潮なんでしょうか。
TVはあまり見てないのですが、息子が読んでいるライトノベル等でも、それは感じます。
正解というか、読み解き方がひとつしかないようなきっちり感と言いますか。
ご指摘の「考えなくてもいいように」にプラスして、「設定のミスや穴」をしてきされたくないのかなーとか思ったこともありました。

八重の桜ではこれからしばらく苦しい時代が続きますが、イロイロ頑張って欲しいです♪

どうぞ、またいらしてくださいませ。^^

| 2013/05/08 |  16:45 | ポトス #Kyq53.yY |  URL | 編集 |

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する