進撃する巨人達

2013/09/18 17:42

台風が日本列島を縦断していった日曜日、ワタシはとても愉快な時間を過ごした。
スーパーパワフルで魅力的な御老体にお会いしたのだ。

…というと、少々意味が違ってしまうが(笑)
台風接近を危ぶみながらも、この日2つのコンサートをはしごしたのでした。

いくらおっさん好きなワタシといえど、このお二方の偉大さには、ただただ圧倒されるばかりでした。


一つ目は、東京オペラシティで行われた
 作曲家・池辺晋一郎 70歳バースデー・コンサート 
だ。
 2013年 9月15日(日)15:00開演
 東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアル

 演目は
 ・悲しみの森--オーケストラのために(1998)
 ・木に同じく--チェロとオーケストラのための協奏曲(1996)
 ・交響曲第9番--ソプラノ、バリトンとオーケストラのために(2013)

 「交響曲第9番」は東京オペラシティコンサートホール開館15周年記念委嘱作品・初演である。

 オケは東京交響楽団、指揮は下野竜也氏、その上バリトンが宮本益光氏である。
 聞きたいと思った。

 かれこれ四半世紀ほど前になるが、ワタシは池辺先生と間近にお話しする機会に恵まれた事があった。
 ちょうど大河ドラマの作曲をされている時期だった事を覚えている。
 
 70歳のお祝いということで、ロビーには昔所属していた団体の名が付いた花が飾ってあり、あれから一体何年たったのだという感慨がワタシを襲ったが、驚いた事に、池辺先生ご自身はちっともお変わりないようにお見受けした。勿論、遠くからお姿を拝見しただけだが。

 曲については、はっきり申し上げてワタシにはよくわからないです。
 現代曲に関わらず音楽の善し悪しなどさっぱり分からないワタシにとって、「何だか聞いているとドキドキした」演奏は、大変有意義なものであった。


二つ目は、そこからタクシーでぶおーーんと移動した先でのコンサート。
 冨田勲✕初音ミク:無限大の旅路~イーハトーヴ交響曲

 冨田勲&初音ミク


 2013年9月15日(日)18:00
 Bunkamuraオーチャードホール

 演目は以下の通り
 ・「新日本紀行」
 ・「たそがれ清兵衛~隠し剣鬼の爪~武士の一分~おとうと」
 ・「ジャングルの朝~動物たちのつどい」
 ・NHK大河ドラマ「勝海舟」のメインテーマ
 ・「イーハトーヴ」交響曲

 オケは東京フィルハーモニー交響楽団、慶應ワグネルによる男声合唱、聖心女子大グリークラブによる女声合唱、シンフォニーヒルズ少年少女合唱団による児童合唱、指揮は河合尚市氏である。

 新日本紀行から勝海舟までが前半だが、先程現代音楽を聴いたばかりということもあり、冨田先生ってこんなにドラマチックだっけ!? と驚きながらも感動してしまった。
 勝海舟は古き良き時代の大河ドラマが存分に表現されており、ワタシは帰ってから「NHK大河ドラマ全曲集」というCDをヘビロテしている(笑)
 
 とにかく、音楽が心地良い。
 長年慣れ親しんできた音楽の原型に浸った気がする。
 これぞ、大河! これぞ、時代劇! これぞ、日本!
 そういう、実は実在したのかどうかさえあやふやな記憶の中の原風景と共振する、素晴らしい音楽でした。

 そして、「イーハトーヴ交響曲」。
 これは以前に日本フィルで演奏されていて、関係者だったという知人から「良かったよ~素晴らしかったよ~」とさんざん聞かされていたので、次回があれば必ず聞きに行こう! と思っていたのだ。

 ワタシが初音ミクに興味を持ったのは、そのことが大きい。
 冨田先生✕初音ミク という組み合わせに、驚くと共にワタシは酷く納得できた。

 これは偶然とも幸運とも言えるが、数年前冨田先生にも近くでお話を伺う機会を得たことがある。
 その時のワタシの驚きはすさまじかった。
 冨田先生のエネルギーの底知れ無さに、圧倒されてしまったのだ。

 ご存知でした?
 冨田先生は、1932年のお生まれなんです。つまり81歳なんですよ!

 その御年齢にあって、未だ新しいモノへの探求を忘れず、挑戦を続けられ、そして偉大な曲を生み出しているって、冨田先生、化け物ですか!?(いやいや失礼な…汗)
 とはいえ、日本で最初にシンセサイザーを個人輸入したのも冨田先生であり、その後のご活躍を考えれば、初音ミクという媒体にご興味をもたれるのは当然と謂えば当然であろうと思える。

 初音ミク。
 ボーカロイド(ボカロ)と呼ばれる、歌声合成技術の開発によってもたらされた歌声のシンセサイザー。
 爆発的な人気に、ワタシは当初興味がなかった。
 合成ボイスかあ。ふーん。
 今でも詳しくは知らないし、ボカロを聞かないのでほんの少しの曲しか聞いたことがない。
 息子達が聞くのを横目で「ふーん」と見ていた。

 が。
 冨田先生が初音ミク!? ←助詞が間違ってますけど、意味分かりますよね?(笑)

 その頃、別な知人からも初音ミクラブを聞く。
 その人は三味線をやっているのだが、「千本桜」を三味線で演奏しているグループがあることを教えてくれ、それがめちゃくちゃカッコ良かったのだ。
 その後、初音ミクのライブのTV放送を観た。

 いやー、おもろいじゃん、初音ミク!!
 今度冨田先生とのコラボがあれば、絶対聞きに行こう!!
 そう思っていたのが、今回叶いました。

 ミクさんの映像は思ったよりも小さかったのですが(ライブなみに、オケの前で踊ってくれることを期待していた・笑)、不思議なことにその声も姿も、オケと合唱という舞台の中に違和感なく存在してました。

 というよりも。
 ミクさんの歌を聴き、姿を見ると、そこで演奏しているオケや合唱の人たちがまるで影絵のように感じられました。
 
 「日本には古来人形浄瑠璃というものがありまして…」と仰っていたのはやはり冨田先生だったかしら。

 たぶん。
 あれが、初音ミクだけの演奏だったら、また違った印象になっていたに違いない。

 生オケの演奏。
 男声、女性、児童による生の合唱。
 そこに映し出される照明と映像。
 そして、宮沢賢治による「イーハトーヴ」。

 全てがあってこその、素晴らしい舞台だったと思う。

 あまりに美しくて。
 あまりに素晴らしくて。
 ワタシは時折涙を流しながら、それらを観、聴いた。


池辺先生も、冨田先生も。
まさに、進撃する巨人である、とワタシは思う。

検索で間違って来ちゃった人には、申し訳ない(^^;)

テーマ : 伝えたいこと - ジャンル : 日記

音楽のこと  | コメント : 6  | トラックバック : 1 |

コメント

No title

池辺晋一郎というと、大河ドラマ「黄金の日々」のテーマを思い出します。勝海舟のテーマは大河ドラマの名曲ですよね。まだ元気だった頃の日本の活力がよみがえるようで懐かしいです。
イーハトーヴ交響曲では初音ミクの「星めぐりの歌」が聞けるみたいですね。「赤い目玉のサソリー、広げた鷲のツバサー」って歌、大好きなんですよ。
初音ミクと人形浄瑠璃か!
日本人の感性ってテクノロジーが進歩しても変わらないのかもしれませんね。

| 2013/09/18 |  19:00 | 高木一優 #HU2cL6Jg |  URL | 編集 |

Re:「独眼竜正宗」の時でした

☆高木一優様

 こんにちは~いらっしゃいませ~♪

> 池辺晋一郎というと、大河ドラマ「黄金の日々」のテーマを思い出します。

 おお、そうですね!
 記事中の大河は確か「独眼竜正宗」だったように記憶しています。

> 勝海舟のテーマは大河ドラマの名曲ですよね。まだ元気だった頃の日本の活力がよみがえるようで懐かしいです。

 そうなんです、名曲ですよねぇ。^^
 「昭和」な感じといいますか(笑)、原風景のひとつですね。

> イーハトーヴ交響曲では初音ミクの「星めぐりの歌」が聞けるみたいですね。「赤い目玉のサソリー、広げた鷲のツバサー」って歌、大好きなんですよ。

 そうなんですか! 
 ワタシ、動画を探して聴いちゃいました(笑)

 記事にうっかり書き忘れましたけど、この初音ミク、指揮に合わせて歌うという試みなんですよね。
 あんまり自然だったので、そんなことすっかり忘れて聞き入ってしまいました。^^

> 初音ミクと人形浄瑠璃か!
> 日本人の感性ってテクノロジーが進歩しても変わらないのかもしれませんね。

 そうなのかもしれませんねー。
 通奏低音のようにずっと受け継がれるものが文化の中にあって、その時々の技術によって形がかわっていくだけなのかもしれません。

| 2013/09/18 |  22:16 | ポトス #Kyq53.yY |  URL | 編集 |

星めぐりの歌

こんにちは>管理人さん&高木一優様

イーハトーヴ交響曲の2曲目だったかな、星めぐり…出てきますよね。子どもたちの合唱がアカペラで歌い始めて、私はそこで涙、どどっていう感じでした。
これを初音ミクが繰り返すんだったかな。交互に歌うのが宇宙的で夢のようです。

「ジャングル大帝」の冒頭がヴォーカリーゼだけだったのがちょっぴり残念。「…ひ~び~~~けこだま」をやってほしかった(笑)。
でも、素敵な演奏会でしたね。

| 2013/09/21 |  14:43 | 綾乃 #e6mArcUg |  URL | 編集 |

No title

持ってます大河ドラマ全集!富田さんは昔のシンセサイザーから好きで、
よく交響曲のシンセ版をやっておられましたよね?CDも何枚か。ミクとのコラボはびっくりしましたが、姪がミクに反応しているので勲さんも知ってほしく。(笑)

| 2013/09/21 |  22:53 | 勘助 #- |  URL | 編集 |

Re: 星めぐりの歌

☆綾乃様

 こんにちは~お返事遅くなりましてすみませんです!

> イーハトーヴ交響曲の2曲目だったかな、星めぐり…出てきますよね。子どもたちの合唱がアカペラで歌い始めて、私はそこで涙、どどっていう感じでした。
> これを初音ミクが繰り返すんだったかな。交互に歌うのが宇宙的で夢のようです。

 ああ、そうでしたね! 
 さすが綾乃さん、よく覚えていらっしゃる。
 あの銀河鉄道の映像も素晴らしく美しかったですね。

> 「ジャングル大帝」の冒頭がヴォーカリーゼだけだったのがちょっぴり残念。「…ひ~び~~~けこだま」をやってほしかった(笑)。
> でも、素敵な演奏会でしたね。

 あ、「ひ~び~~~け」は確かに聴きたかったです(笑)

 ええ、本当に。幸せな気持ちにさせてくれる素敵な演奏会でした♪

| 2013/09/23 |  23:03 | ポトス #Kyq53.yY |  URL | 編集 |

Re: 大河ドラマ全集!←そこかい(笑)

☆勘助様

 いらっしゃいまし~お返事遅くなってしまい、すみません(汗)

> 持ってます大河ドラマ全集!

 え、そうなんですか! あれ、イイですよね♪ ワタシ大好きです。^^
 最初に聞いた時は「こんな曲あったかなあ」とか思っていたんですが、何度も聞いているうちに、ふと思い出したりしてます。(気のせいかも?笑)

> 富田さんは昔のシンセサイザーから好きで、
> よく交響曲のシンセ版をやっておられましたよね?CDも何枚か。

 おお、そうなんですか! 長年のファンでいらっしゃいますね?
 冨田先生の曲について詳しいことは知らないど素人のワタシですが、「響き」を最大限に生かしたドラマチックな音楽だと思います。聴いていて、とてもとても気持ちが良いです。^^

> ミクとのコラボはびっくりしましたが、姪がミクに反応しているので勲さんも知ってほしく。(笑)

 ワタシも最初に聴いた時は、びっくりしましたよー!
 でもやっぱり納得できちゃうとこが、偉大です。あのパワーは一体どこから湧いてくるのでしょう!
 姪御さん、冨田先生の曲にも興味を持ってくださると良いですね♪

| 2013/09/23 |  23:10 | ポトス #Kyq53.yY |  URL | 編集 |

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イーハトーヴ交響曲 at オーチャードホール

 最近、音楽ネタが多くてすみません。  先日の「イーハトーブ交響曲」、何人か行かれたようで、ありがとうございました。  私も超絶感動しまして、、、こんなに感激したのは久しぶりです。  毎日のように演奏会場に行っている生活をしていると、それでも音楽の素晴らしさや演奏者たちの作り出す音楽や空間に“飽きる”ということはありません。ただし、どんどん要求レベルが高くなってくる。よいものは...

2013/09/21 | 14:46 | 新月の館